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血肉のことば

本当に響く、大切な言葉というものは、近しい人が自分に投げかける言葉か、自分が近しい人に対してつむぐ言葉で、どこかの誰かの会話の中にはない。

偉人の名言は確かに私たちに訴えるものがある。ただそれを自分の中に取り込んで咀嚼してからでないと、どんな言葉も身にはつかない。本当に求めているのはファッションとしてではない、血肉としてのことば。

ネットにはいくらでも耳障りのいいことばに満ちて、いくらでもそれを借りて着飾れるし、そうしているとそれが自分のことばのように幻想を抱くが、胸襟を開いて話すと、ファッションの言葉も付け焼き刃の知識と同じくとても脆く剥がれていく。本当のことばは人生の悲喜交々の中で練られていく。

自分の身体から生まれることばを紡ぐときにそれに耳を傾けてくれるひとを大切にしたい。そしてそのひとの身体から生まれることばが、わたしに刺激的ならなお貴い。その人を離してはいけない。

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