プロ講師のイラレ講座を独学系デザイナーが受けたら、水の流れる音が聞こえるようになった話 @mtm623mutsumi
喫茶ラブソルメンバーのむつみあゆこです。
私は普段、フリーランスとしてデザインの仕事をしています。
デザインのお仕事をする際に欠かせないソフトが、AdobeのIllustrator(イラストレーター)。
このソフトの使用時間が長くなるにつれ、一度きちんと基本に立ち返りたいと思っていたところでした。
そんなとき、先月から入ったコミュニティ「喫茶ラブソル」のイベントで、現役のデザイン専門学校の先生、きむらせいじさんがIllustratorを教えてくれる講座が2回にわたって開かれることになりました。
願ってもないチャンスに、前のめりで参加してきました。
今回は、その2回目のイベントレポートというか、個人的な体験・感想を書いてみました。
(この記事のバナーは、第一回めのイベントバナー。講師 せいじさんのデザインです。)
今回の講座で、自分の名刺用に作ったIllustratorデータをプロの講師に直接触ってもらうという、なんとも贅沢な体験をしました。
みんなが見ている前でデータを触ってもらうというのは、なんというかとても恥ずかしいものです。自分の本棚とか、かばんの中とかを晒している感じと言ったら、分かっていただけるでしょうか。
データを前にした講師、せいじさんには、私が迷いながらデータを置きに行ったところを鮮やかに見抜かれました。
名刺の性質上外せないものの一つが、「可読性(大事な文字情報は読みやすくあるべき)」です。
「デザインとしての美しさ(余白や構成を考えるならフォントをちいさくとりたい)」を取りたい気持ちとの間で迷った末、可読性を優先して余裕の少ない構成になっていることは、自覚していました。
せいじさんが「ここは水が流れるように余白をとった方がいい」とおっしゃって、余白を広げる提案をされた時に、ハッとしました。
実は、せいじさんの1回目の基礎的な講座を受け終わったときに、もういちど基礎に触れ直そうと、翌日、デザイン教本を購入していました。
本の中で最も印象に残ったのは、
「水の流れを流すように余白を作ると見た目にすっきりしてくる」
「外へ抜ける余白は空間の通りが良くなる」
など、水の流れや余白の通りを記述している箇所でした。
レイアウト・デザインの教科書
その後、その本とは全く関係なく、Twitterでフォローしているデザイナーのツイートで、ロゴの空間の抜けについての記述を目にしました。
そして、またまた上記二つとは違う流れで、手持ちのハンドレタリングの本を読んでいると、空間の抜けや流れの話として、以下の文字が飛び込んできました。
「文字の内部のスペースに水を流し込むことができるとしたら、1つの文字の内部に入る水の量と、隣の文字との間のあきのスペースに入る水の量は同じであるべきです」(※これはカーニングという文字間隔の話)
ハンド・レタリングの教科書 スケッチから完成まで、レタリング・デザインのすべて
1回目のせいじさんのイラレ講座を受けてからというもの、私が目にする本や文章は、デザイン上の水の流れや空間の抜けを繰り返し語っていました。
2回目の講座で、せいじさんが直接データをいじりながら水の流れの話をした時、それまではどこかBGMのように聴こえていた水の音がはっきりと私の脳内に流れたのです。
このような、実践で一つずつ掴み取っていく体感覚は、デザイナーにとってかけがえのないもの。
これからは、以前より鮮やかな意識で紙面を流れる水をイメージしながら、レイアウトや構成を組み立てることができるようになると思います。
今回の名刺は、可読性と水の流れるような余白、どちらかを犠牲にするのではなく、1つの要素を名刺の表から裏側に移動することによって、「両方を成り立たせる」ことを講座の中で決めました。
まだまだ名刺はデザイン途中ですが、この講座を受けたからこその出来上がりになると思います。ワクワクしながら手を進めます。
長い時間、講義をしてくださったきむらせいじさん、素敵な講座を企画してくださった喫茶ラブソルの皆さん、ご一緒できたメンバーの皆様。
貴重な体験をありがとうございました!
書いた人/むつみあゆこ
▶︎ Twitter
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