心技体+運。プロジェクトマネージャーとは、すべてを兼ね備えた総合格闘家。
仕事で、くよくよすることがある。私はなんてダメなんだろうかと、内臓のあたりが押しつぶされそうな心地になる。
そういう時は決まっているんです。プロジェクトに関わる、メンバーの表情が、よくない。
進行の遅れだとか予算との兼ね合いだとか、プロジェクトマネージャーとして気になる部分はいくらでもあります。でも、それは自分の多少の無理でなんとか出来なくもない。
でも、人の心ばかりは。
プロジェクトマネージャーに必要な素養とは?
そんなことを、ぐるぐると思っていた私に、一つの補助線が立ち現れました。
B to B向けWebサイト制作において圧倒的支持を得ている株式会社ベイジさまが主催する有料講座。主にWebデザインやマーケティングについての内容が中心なのですが、先日プロジェクトマネジメントについて取り上げられました。
講座の内容と自分の経験を足したり引いたり、俯瞰したりしてみて、私なりに「プロジェクトマネージャーに必要な素養」を考えてみました。
〈執筆〉
Twitter https://twitter.com/derami_no
プロジェクトマネージャーとは、相反するもののシーソーゲームを成立させる総合格闘家
結論から言ってしまいましょう。プロジェクトマネージャーとは? そう問われたら、私は「総合格闘家」と答えたい。
プロジェクトマネージャーがマネジメントするものは、多岐に渡ります。
スコープ、スケジュール、コスト、品質、人的資源(リソース)、コミュニケーション、リスク、調達、ステークホルダーとの関係性
ツールの操作など業務レベルのことだけをできているだけでは全くつとまらない。一方で、業務レベルのことは自分でできてしまえるようでないと、いちいち外注していては滞ってしまう。
現場への理解は必須。一方で、現場だけに肩入れせず、チーム全体、プロジェクト全体、ステークホルダー全体、ビジネス全体、さらには社会全体を見据える必要がある。
スケジュールや予算、工数など、自社もクライアントも自分も守るために厳密でなくてはならない。しかし、変更や不測の事態はつきもので、柔軟性を持ち合わせている必要がある。
ミクロとマクロ。感情とロジック。繊細と大胆。動と静。相反するもののシーソーゲームを、なんとか成立させるのが、プロジェクトマネージャーというものなのだと思います。
まさに猛者、心技体すべてを兼ね備えた総合格闘家。
まだまだ未熟な私が冒頭で述べたような「くよくよ」の状態に至る理由は、きっと心の弱さによるところが大きいのでしょう。そして経験でしか強くなれないところもあるのでしょう。
でも何か視点の持ちようで変われる部分はないものだろうか。または、なにか他の力で補えはしないだろうか。
永久保存版!プロジェクトマネージャーに必要な心技体の鍛え方
心技体をそれぞれ、このように細分化してみました。
■心
ベイジ社での講座で印象的だったのが、個々人でカスタムされた「心得」があるということ。(最近は傾向が集約されてきたのもあり、ある程度共通のものを使っているそうですが。)
これを、打ち合わせの前などに一読するんだそうです。私もこれを自分なりにカスタムして、持っておきたいと思いました。
公開してもよいよ、とのことなので資料記載の心得の一部をご紹介します。
■技術
講座ではプロジェクト管理のツールや、行っている施策について教えていただきました。
例えば、バッファの取り方、リソース管理の方法やツール、不確実性の予防法と対処法など。
こういったツールや知識は「心が伴っていなければなんの効果も発揮しないものだ」という前提を忘れず、使っていきたいなと思います。
■体
身体的な余裕がなければ人を思いやる余裕なんて持てないですし、頭も働かない。体を正常に保つことはものすごく大事だなと実感しています。
よく寝る、食べる、笑う、体を動かす。
ここ1年くらいでその大切さに気づいて、できるようになってきました。以前は睡魔が来るまで、体と期限がSOSを出すまで、とりあえず続けるストロングスタイルだったのですが。(笑)
プロジェクトマネージャーの仕事は「プロジェクトの中に、人の間に、常に元気でい続けること」。私はプロジェクトマネージャーという仕事のおかげで、健やかでいることができています。
心技体に一つだけプラスするとしたら、私は運と答えたい
これまでプロジェクトに携わってきて大切なこと、それは「運」だと思います。
有名な話ですが、メジャーリーガーの大谷翔平選手は高校1年生の時につくった目標シートで、力を入れるべきことに「運」を入れています。
不確定な要素が多いプロジェクト、最後は思いも寄らない助けや出来事に助けられた経験は過去に何度もあります。
運をも引き寄せる、プロジェクトマネージャーでありたい。心から思います。
「いつも明るく・元気よく」小学校の標語が、今となっては身に沁みる…。ああ、つくづく、仕事に真人間にしてもらっているなあ。
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