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農業が私にくれたものに気付いた「農トーーク」 @miyakawa_nouen

こんにちは。
喫茶ラブソルメンバーの宮川です。私は、北海道の江別市で130年以上続く農家で、主に販売を担当しています。

とはいえ、農業をやりたくて(継ぎたくて)始めたのは夫。私は、気付いたら今の仕事をしていました。
最近になって、「私って農業好きだっけ?」と、ふと立ち止まるタイミングが。

これからの人生のため、そして農業を色んな人に好きになってもらうため、自分自身の「好き」を再認識したい!
そう思って、少し前に加入したオンラインコミュニティ「喫茶ラブソル」で、農家と野菜の話をするイベント「農トーーク」に参加しました。

喫茶ラブソルには、私以外にも農家の方がいらっしゃって、イベントではじっくりお話を伺い、交流することができました。
そこで、農業を通して少しだけ成長していた自分に気付いたので、その学びを報告します。

知識ゼロ、手探りで始まった農業の道

農家に生まれた夫と結婚するまでは、農家についてなんだか「ゆったり」したイメージを持っていた私。実際に中の人になって見たのは、早朝から深夜まで動きっぱなし、休みなしの過酷な労働と、「それでも見合うだけの収入がないから継ぐのはやめなさい」と両親に反対される現実でした。

とはいえ、それまでの仕事は割と手に職系の専門職だった私は、農業に関わるつもりもなく、子供がある程度手が離れたら復職しようと思っていました。

しかし、中から農家を見て気がついたのは、大変さだけじゃありませんでした。
自分が食べたいと思えるモノ作りのこだわり、食べるモノを作る責任感。なにより、北海道で育ってきた私でも驚く美味しい野菜、それを子供に安心して食べさせられるありがたさ!

それらを実感し、もっと色んな人に知ってほしいと思うようになりました。そして、子育ての傍ら、自分にできることを考え、少しずつ行動するようになりました。

ただ、私の前職は、医療系。農業の知識もなければ、販売の知識も営業の経験もない私は、何から始めればよいか、誰に相談すればよいのか分からず完全に手探り状態でした。

周りのプレッシャーから抜け出したくて、外の世界に飛び出した

何も分からないまま、とにかく思いつく事をやり続けた数年間。その間に色々な方々に出会い、助けていただき、何とか個人販売を増やしていくことが出来ました。

しかし、代々続いて来た農家で「夫と畑に入らず、外で販売に走り回る嫁」というのは到底受け入れて貰えません。
夫も一定の理解はしてくれるものの、立場や役割が違う分、理解してもらえない事も多々あります。

「販売なんてくだらない」という環境を見返すために、もっと結果を出したい、出さなければというプレッシャー、焦りが年々強くなりました。仕事が楽しいどころか苦しくなり、「知ってもらいたい」気持ちより、逃げ出したい気持ちが大きくなっていました。

そして、どこかで一発逆転を期待して外の世界、農業に関わりが薄い異業種の人たちが行きかう世界に飛び込みました。

農業は色々な出会いを与え、私を広い世界に連れて行ってくれた

今回の「農トーーク」開催してくださったラブソルさんは、企業のWebデザインやコンテンツ、ノベルティ制作をしている会社です。
イベントの中で、「農家がデザインやコンテンツに経費を使う意義」について話題になりました。

この仕事を始めた頃、そういう事にお金を使えるなんて、裕福な農家のやることだと思っていました。
でも、農家といえど、どんなにモノづくりにこだわっていても、それを外の世界に広めたい、と思うなら、自分を「1小売業者」として他の事業者と肩を並べなければなりません。
縁もゆかりもない人に気付いてもらう、知ってもらうためには、それ相応の努力と投資をしなけばならない。今はそう考えています。

そして、今そう思えるのは、外の世界に出て異業種の方々と接する中で肌で感じた尊敬、モノづくりは目に見える「モノ」だけではないことなど、色んな学びがあったから。少しだけ外の世界から、「農業」というものを見られたからかもしれないと感じました。

振り返れば、「食」の源である農業を通じて様々な人に出会い、色々な学びを得て、今があるのだと実感した瞬間でした

今度は、自分が農業を通して人の「好き」を作りたい。まだまだ忘れていた農業の魅力をじっくり見つめなおして、人に伝えたい。
改めてそう思える、背筋が伸びるような時間でした。
そして、母親として、1事業の代表者として、将来子供たちがどんな道に進もうとも、広い世界を見られる様に、これからも農業が導いてくれた「外の世界」を見続けられるよう、農園と一緒に成長していきたいと思います。

***

執筆・バナー制作:宮川育美
編集:柴山由香
バナーディレクション:小野寺美穂

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