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Vol.2 「まとめる」「膨らませる」「落とし込む」「儲ける」「応える」

結束と成長、色彩を重視したマネジメント

現職になられて、約1年半が経過されたOさん。もともとエンジニアとしてのバックグラウンドをお持ちとのことで、これまでシステム開発やそのデリバリーなどをされてきたそうです。この1年半で、組織としてはまさに、Oさんの体制下で組織づくりを進めていらっしゃる真っ最中とおっしゃいます。今回は、特に今取り組んでいらっしゃる組織作りについて、さまざまなお話を伺いました。

【まとめる】【膨らませる】の反復活動で、組織に勢いをつける

会社の体制変更というのは、会社にとっても、その従業員にとっても、外部の株主にとっても大きな影響を与えます。まさに、そのような経験されたOさんは、体制変更を「組織の仕切り直し」と表現されました。無論、迅速に成果を出す必要がある状況の中で、組織の新陳代謝、人の入れ替わりなどもあったといいます。

一方で、そのような状況を1つの契機と捉えて、Oさんは組織の仕切り直しを推進されていかれます。
「組織として仕切り直さねばならない。組織の状況は目まぐるしく変わりました」
Oさんは、ゆっくり考えながらこう続けられました。
「たとえば、人が辞めたら、単純に補充するという道を選ばず、現行で仕切り直す道を選びました」
これらはほんの一例ですが、体制の仕切り直しには、プロセスがあるようでした。まずは、「まとめる」こと。人の離職が起きるのを目の前で見れば、さまざまな想いも湧いたことでしょう。しかし、Oさんは、その状況を「まとめる契機」と捉えたのです。今、さまざまな環境が、怒涛の変化を遂げている状況であっても、しっかりと業務と向き合える人材がいる。このメンバーがいる組織をいかに、いい形でまとめ上げるか? という点にかなり力点を絞られたそうです。
「小さくまとめ上げてから、もう1回膨らませても十分に対応できる。筋肉質にして十分に利益を作りながら、自分たちの姿を作っていこうとしているところです」
まずは小さく、強くまとめ上げた組織を核に、さらに膨らませる(大きくしていく)を推進されているのでした。まとめるの次は「膨らます」。増やすのではなく、大きく、さらに膨らませていくという言葉に、今後の成長イメージが隠れているとも言えそうな表現ですね。

小さな組織の綻びを、そのままにせず、カラーに【落とし込む】

これまでのマネジメントのご経験などから、体制や組織を作るときに大事にされていることを伺いました。そこには、ご自身が、さまざまなマネジメントを経て行きついた1つのポイントがありました。
「マネジメントの経験がそこまでない時は、客観的に見ることが難しい時期ももちろんありました。マネージャーだと、自分自身もやらないといけない業務がたくさんあって、むしろ部下よりも自分の業務が多いなんてことも経験していましたからね」
このような時期も経て、その時期にも繰り返し感じられたのは、次のような点だといいます。
「俯瞰的に見て、おかしいと思うものは、おかしいとしないといけない。たとえば、部下一人の誰かの行動や発言が、いや、それ違うかもな・・と思ったとします。しかし、まあいいか・・と思ってそのままにしておくと、後々、よくないことが起きる。これを、ミッションやビジョンにそっていない、とか方針から外れている行動というのかもしれません」
この、小さな「ん?」と違和感を持つ言動や行動をそのまま放置されてしまうことこそが、後から組織に大きな影響を与えてしまうということでしょう。
「元来、しっかりとカラーに落とし込むことをしないといけない。ちょっとした綻びも、やはり綻びは綻びなんです。気がついたら穴があき始めてしまうと、まずいんです。教科書的にも聞こえるけれど、ミッションやビジョンという会社のカラーに落とし込むことの重要性を実感します」
もしかしたら、この綻びは感覚的なことかもしれません。しかし、マネジメントをしている上では、状況などから感じ取った部分というのも、ある程度加味する必要があります。Oさんからは、そのような点をしっかり捉えるには、ある程度、ご自身が客観的である必要性や、負荷が高すぎては見られない点についても言及いただきました。
組織の中で、違和感がないか? は、ミッションやビジョンと即した行動か? と言い換えたりしながら、意識していきたいですね。

【儲ける】ことを後回しにはできない。だから、見極めていく。

さまざまな点について、客観的にお話しくださいましたが、会社を運営していく以上、売上と背中合わせであること、売上と利益が堅調であれば、それなりに組織も活気付いてくる点についてもお話しくださいました。
「ちゃんと儲かる仕事をやらないと。利益が出る、売上があがれば、それだけ儲かる。ここをしっかり担保する意識って、しっかり仕事やっていく意識にもなりますからね」
ビジネスである以上、この上なく大切な視点です。しかし、そこに横たわる苦悩についてもお話しくださいました。
「組織がアップアップで、もう回らないという状況が起きると、売上げにも影響が出ますから、トップ(経営者)が決断しなければなりません。ただ、よく、やらないことを決めるといいますが、実際はどうなのかなと思うこともあります」
実際、本当にやらなくてもいい仕事はあるのか? と自らに問うこともあるとおっしゃいます。さらに、Oさんは、こんな問いをくださいました。
「もちろん、重要度の低いものよりは、重要なことに本来は集中して、となりますよ。しかし、『ガンガンやれ。とにかく走りきれ。もう、全部やるぞ、全部やるんだ』というのも、時として必要ではないか?」
アップアップでギリギリーそんな時にどうするかの判断は、必要ですが、マネジメントは、そういった判断の見極めもしなくてはならないのが現実です。本当に、極限の人に、もっともっとと言うことはないでしょう。一方で、少し成長の伸び代を持つ時には、それなりに見守りながらも、走り切ることも必要ではないか。そして、売り上げを作っていく時には、緩急をつけた判断しなければならないこともある。だからこそ「見極める」ということが大事だと、語られていました。

マニュアル化できないノウハウを伝える。

Oさんに、大事にされていることを伺うと【応える】という言葉を頂きました。
「これまで、お客様の期待に応えることを意識してやってきたから。ただ、儲けるという話になると、全てに応えられないから、最大公約数をとる、みたいな話もありますね。」
そんな風に仰るOさんですが、とても大事な、組織における「応える」意識も一緒に教えてくださいました。
「お客様の要望に、120点で応えるーそれを求めているわけではなくて。ただ、80点は絶対に取りたい。80点の仕事で準備しても、80点は取れませんよね。100点を目指すから、やっと8割いけるのが現実ですよね」
実際に目指す状態以上を見据えて、なんとか目指している状態に帰結できる。日々の中で、準備の大切さを改めて考えさせられる投げかけですね。

「応える」をとても大事にされているご自身の経験もあり、さまざまな手法で「応える」ことができる一方で、Oさんは言います。
「自分だからこそ、できることも多い。なので、応える手法をマニュアル化するのも難儀でしょう。だからこそ、うまく分解して、組織のメンバーにも伝えていくことが大事ですね。それぞれのメンバーがやれるレベル感で、少しずつ落とし込むことを考えています」
大事だからこそ、どう、組織メンバーに伝えるか? という点にも心を割かれているOさん。ここにも、「応える」という心が見えました。ご自身が持っているノウハウを、いかに言語化し、小さく分けて伝えていくか? 相手と自分を客観的にみながら、どう応えるか?という素敵な姿勢を教えていただきました。

体制変更を経験され、Oさんの組織の旅はここからさらに加速させていくことがでしょう。膨らみ、多くのお客様の声に応えていくための準備を整え、これからのOさんと組織の更なる飛躍を、心から応援いたします。

【取材協力】
業界:IT
現職:代表取締役
イニシャル:O様

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ラボラティック株式会社 広報担当