見出し画像

プレゼンスライドの背景色は白にしておくと無難

プレゼンスライドの背景色は、まずは白を基本に考えると無難です。コーポレートカラーで背景をベタ塗りしたり、濃い背景色に白抜き文字を配置したりすると、個性的でインパクトが強くなりますが、配置する写真やイラストの色味との相性が悪いと台無しになります。白以外の背景色は上級者向けです。

プレゼンスライドの背景色は、まずは何も考えずに、とりあえず白にしておくと無難です。デザイン性を高めようとして、コーポレートカラーで背景をベタ塗りしたくなるところですが、ちょっと待ってください。濃い背景色に白抜き文字を配置したりすると、個性的でインパクトが強くなりますが、配置する写真やイラストなど、スライドに載せる素材の色味との相性が悪いと、背景色にこだわった意味がなくなってしまいます。

図1 プレゼンスライドの背景色は白が無難

日常的に作成する仕事関係のプレゼンスライドにおいて、そのスライドに載せるコンテンツは様々です。とくに写真やイラストなどの画像は、色がモノクロであったり、単色であったり、カラフルであったり、と様々で、その画像の背景も白だったり黒だったり他の色だったり、様々です。

スライドの背景を白以外の色でベタ塗りしてしまうと、そこに配置する画像の色味との相性によっては非常に見づらくなります。例えば、図2のように、背景色が青のスライドに青系の画像を配置すると、その境目がぼんやりしてしまって見づらくなってしまいます。テキストの色は自由に変えられるので、背景色に合わせて、例えば白抜きの文字にすれば非常に見やすく映えるのですが、配置する画像の色味はそう簡単には変えられません。

図2 スライド背景色が白以外の場合

配置する画像を見やすくしたければ、その画像の色味に合わせて背景色を変えればいいだけなのですが、同じプレゼンスライドの中で背景色をコロコロと変えてしまうと、スライド配色を統一するというセオリーに反します。さすがにそのような色の使い方はおすすめできません。

一方、スライドの背景色を白で統一しておくと、どんな色味の画像が配置されたとしても、デザイン的な面白みには欠けますが、コンテンツが見づらいということにはならず、無難にまとまることは間違いありません(図3)。

図3 スライド背景色を白にした場合

筆者も以前は、スライドの背景には自分なりにテーマカラーのようなものを決めて、その色で背景をべた塗りにしたり、その色でモノトーンの背景画像をPhotoshopで作ってその画像を背景に設定していました。スライド表題などのテキストを白抜き文字にしてしっかりと目立たせたかったので、そのテーマカラーは濃いめのダークカラーにしていました。

そのとき、いつもデザイン的に問題になるのが、スライドに配置する画像との相性でした。スライドに使う画像は、参考文献などから引用したものもあって、その色味を自由に変えたり調整したりできないことがよくあります。写真やイラストの画像を濃いめの背景色の上に重ねると、画像の色味によっては、どうしても見づらくなります。だからといって、画像部分だけ背景を白く塗りつぶすと、せっかくの背景色や背景画像があまり意味を成しません。仕事がら、カラフルな画像を多用するプレゼンスライドが多かったということもあって、この画像と背景との相性の問題はわりと深刻でした。

そこで今度は、ライトカラーのイメージ画像をPhotoshopで作ってそれを背景にして、その上に濃いめの色のテキストを配置するスライドデザインに変えてみました。背景に特定の色がついていると、その上に載せる写真やイラストの色味とかち合うこともあるということで、結局、他の色と干渉しにくい薄いグレー系のイメージ画像を作って背景に設定して、文字色は黒を基本にすることに落ち着きました。その結果、配置する画像などのコンテンツの色との相性の問題はなくなり、ひとまず悪くない配色になりました。

そうなってくると、もはや背景にわざわざ何かを配置する意味があるのか、という疑問が湧き上がってきます。不必要なものをそぎ落とし、理由がないことをしない、というデザインの基本セオリーを踏まえると、背景は無しでいいと考えることもできます。そうすると、結局、ただの白色の背景が一番無難だということになります。もちろん、配置する写真やイラストといったコンテンツすべて、背景色との相性を考えて作り直すことができるなら、他の背景色も十分にアリだとは思います。しかし、普段のプレゼンスライドの作成作業においては、なかなかそこまではやれません。

せっかくなので他にもいくつか、背景が白のスライドがもたらすメリットを挙げておきましょう。まず、スライドを紙に印刷したときの、トナーやインクの消費が少なくて済むという点です。背景がベタ塗りのスライドを印刷すると、レーザープリンタならカラートナーを、インクジェットプリンタならカラーインクを、大量に消費してしまいます。会議資料としてスライドを印刷するときは、参加人数分を印刷しなければならないため、決して馬鹿にならない消費量になります。これは些細なことで、しかもデザインとは関係がない話ですけど、じつは実用上なかなか侮れないポイントです。

さらに、最近の液晶プロジェクターはそんなことはありませんが、一昔前の液晶プロジェクターは光量が少なくて投影される映像が暗いという問題がありました。そのため、スライドの背景色をダーク系にすると映像がますます暗くなって、非常に見づらくなることがよくありました。そんな暗めのプロジェクターでも視認性が一番マシなのが、スライド背景色が白のプレゼンスライドです。今でもそういった古い液晶プロジェクターでプレゼンしなければならない場面がないとは言えないので、どんな環境下でも見やすいというのも、背景色を白にしておくメリットのひとつです。

ということで、スライド背景は白にしておくのがとにかく無難だということをわかってもらえたのではないでしょうか。もちろんデザイン的な面白みはなくなりますが、実用性が高いという意味でも、余計なことをしなくてすむという意味でも、スライド背景は白がベストな選択だと思います。もちろんそれ以外の背景色がマッチする場合もありますが、白以外の背景色はデザインの上級者向けだと考えておいた方がよいです。なので、まずは背景色については白を基本に考えてみるとよいと思います。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?