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関係が深い要素を近くに、そうでない要素を遠くに配置する

プレゼンスライド作成におけるデザインの基本セオリーの一つに、「関係が深い要素同士を近くに、そうでなければ遠くに配置する」というのがあります。要素の関係性を物理的な距離で表現することで、伝えたい内容の論理的な構造を視覚化し、見る人に、よりわかりやすく情報を伝えることができます。

プレゼンスライド作成におけるデザインの基本セオリーの一つに、「関係が深い要素同士を近くに配置し、関係が浅いなら遠ざけて配置する」というのがあります。つまり、要素同士の関係性をスライド内における物理的な距離で表現します。それによって、そのスライドで伝えたい内容の論理的な構造を視覚化し、見る人に、よりわかりやすく情報を伝えることができます。これは当然と言えば当然のことなので、おそらくみなさんも無意識にやっていると思いますが、それをしっかり意識的に実行することが重要です。

図1 要素同士の関係性を物理的な距離で表現

プレゼンスライドの典型的なトップページと最終ページを例に考えてみましょう。図2を見てください。まずはトップページについてです。タイトルを補足するためにサブタイトルが存在するので、両者の関連度は高く、近くに配置しておくべきです。プレゼンターに関する情報は別の情報のまとまりとしてグループ化して、タイトルやサブタイトルとの距離が遠くなるように配置しています。

図2 トップページの典型例

最終ページについては、例えば、社名と連絡先を載せることにした場合を考えてみます。図3のように、社名と部署はお互いに関係する情報なので近い距離に置いて、一方、メールアドレスや電話番号といった連絡先情報のかたまりをフッターにまとめています。2つのグループの間隔を大きくすることによって、それぞれひとまとまりの情報として認識しやすくなります。

図2 最終ページの典型例

要素同士の関係性にもとづいてスライドにそれらをレイアウトするためには、大前提として、作成者であるあなたがその内容をしっかりと理解していなければなりません。要素同士の関係性がわかっていないと、どれとどれをグループにまとめればいいのか、どれとどれの距離を離せばいいのか判断ができません。したがって、プレゼンスライドに載せる内容を、前もってしっかり分析しておくことがカギとなります。逆に言うと、内容をしっかり分析できていれば、関係性にもとづいて配置する作業はとても簡単な作業です。あとはそれをどう表現するか、具体的なデザインテクニックを駆使するだけですが、難しく考える必要はありません。ただ、距離を近づける、遠ざけるだけで十分表現できる場合も多くあります。

関係が薄い要素を遠ざけたいとき、プレゼンスライドでは、そもそも別のページにしてしまうという選択肢もあります。みなさんも体験的によく知っていると思いますが、このページ分けは、スライドデザインやスライド作成においてとても重要です。プレゼンスライドは、アニメーションで動的な動きをつけることはできますが、基本的に1スライドずつページをめくるように表示していく一方通行のメディアです。つまりページという極めて明確な区切りがあるので、1ページをひとかたまりとせざるをえません。したがって、各ページにどんな内容を含めるのか、どれとどれを1ページに集約するか、複数ページ使う必要があるのはどの項目か、それらのページをどんな順番でつなげてどんな話の流れにするのか、よく考えてページ分割を行わなければなりません。

ページ分割を考えるということは、すなわちプレゼンのストーリーボードを考えるということです。ストーリーボードというのは、プレゼンのアウトラインを作るときにとても重要なものですが、それについてはまた別の機会に述べたいと思います。




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