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プレゼンスライドではデザインが冗長にならないように気をつける

プレゼンスライドにおいて、デザイン的に冗長にならないよう気をつけなければいけません。テキストの一部を目立たせるために文字サイズを変え、行頭記号をつけて、文字色を変え、太字にして、アンダーラインを引くのはやりすぎです。結果的にデザイン面のムダが増えて美しさが損なわれることに。

プレゼンスライドを作るとき、デザイン的に冗長にならないよう気をつけなければいけません。テキストの一部を際立たせるために、文字サイズを変え、行頭記号をつけて、文字色を変え、太字にして、アンダーラインを引く。これはさすがにやりすぎです。結果的にデザイン面のムダが増えて美しさが損なわれることになってしまいます。デザインが冗長であることは、意味がないだけでなく、逆にマイナスの影響を生じさせかねません。

図1 デザイン的に冗長にしないように注意

PowerPointで何も考えずに、箇条書きで、さらに階層構造を使って文章を書いてみてください。PowerPointの基本機能によって、おそらく図2の左側のように、行頭記号が自動的に付与され、第2階層のテキストにはさらにインデントも付くでしょう。文字サイズも第1階層より第2階層の方が小さくなっているはずです。いずれも箇条書きであることや階層構造であることを視覚的に示すためのデザイン的な装飾です。これらは確かに効果的ですが、はたしてこれらの装飾はすべて必要なのでしょうか?

もちろん時と場合によりますが、たかだかテキストの階層構造を示すために、毎回ここまでの装飾が必要だとは思えません。箇条書きで階層構造を視覚的に見せるのであれば、図2の右側に示したデザインで十分な場合も多いのではないでしょうか。むしろ、これぐらいシンプルな方が見やすくて、見る人の意識もそこに書かれている中身に注がれやすくなるはずです。それに、テキストが左揃えになり、行頭位置がきれいに整列しているため、美しく見えます。

図2 デザインにおける冗長性とは

スライドの中で強調したい部分を目立たせたい場合を考えてみましょう。文字を大きくする、目立つ色をつける、アンダーラインを引く、影をつけるなどいろいろな方法がありますが、それらをすべてやる必要はありません。図形に関しても同様で、枠線、塗りつぶし、影など、いろいろ飾り付けることはできますが、やりすぎは禁物です。図3の例を見てください。

図3 ここまでやらなくても・・・

「重要なキーワード」という部分を太字にして、赤色にして、アンダーラインを引いて、影(ドロップシャドウ)までつけています。確かに「重要なキーワード」という文言は目立ちますが、さすがにこれはやりすぎだと、みなさんも感じると思います。その下のフローチャートについても、背景のグラデーションや文字のアンダーラインはどう考えても必要なさそうです。文字を赤色にする意味もないのではないでしょうか。無駄な色使いはむしろ、視認性を下げる結果になっています。ここまで修飾を何重にも加えたところで効果は薄く、それだけでなくてむしろ逆効果です。本当に効果があることだけをするべきです。

色に関しても同じことが言えます。目立たせたい箇所がたくさんありすぎて、やたらとたくさんの色が使われているレインボーカラーのスライドをよく見かけます。ただ強調したいだけであれば、色を使わなくても他の方法で、いかようにも強調させることができます。色使いにおいても、余計なことはしないように気を付けなければなりません。基本的に、スライドをカラフルにするのは効果的とは言えません。色の使い方については、別の記事でも触れているので、そちらもぜひご覧ください。

他にも、ついつい冗長にしてしまいがちなデザインの要素はたくさんあります。なぜなら、PowerPointを使えば誰でも簡単に装飾を追加できますし、最初からそうなってしまっている場合もあります。それが本当に効果的なのか、逆に悪さをしていないか、常に自らチェックしながら、本当に必要な装飾のみを施す努力をしましょう。



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