デザインに一貫性を持たせるとプレゼンスライドに統一感が生まれてかっこよく見える
プレゼンスライドの作成におけるデザインの基本セオリーの一つが「一貫性を持たせる」です。デザイン上の何らかの特徴を、全体を通じて何度も繰り返すことによって、プレゼンスライド全体としての統一感を出すことができ、それによって美しさやかっこよさが演出されることになります。
これは、誰もが普段から実践しているテクニックではないでしょうか。みなさんもPowerPointやGoogleスライドで、しばしばデザインテンプレートを利用すると思います。実際、デザインテンプレートを使って、全ページに同じデザインのヘッダーやフッターがレイアウトされているスライドをよく見かけます。デザインテンプレートを使うと、例えば図2に示したように、同じヘッダー、同じフッターを毎ページ繰り返し表示することによって、プレゼンスライド全体を通じて、デザイン上の一貫性が生み出されます。
デザインテンプレートを使う方法は、スライド全体の統一感を維持する方法として強力ですが、その使い方には注意も必要です。確かに、ページを進めたとき必ず同じ色味でスライド表題や、会社名など所属する組織名が表示されて、それによって揃っている感を感じさせることができます。しかし、その情報は、本当に毎ページ見せなければいけない情報でしょうか?所属組織名やロゴは、一回見せれば十分かもしれません。ページ番号ぐらいは毎ページあってもよさそうですが、スライド表題すら場合によっては無くてもいいかもしれません。
よく見かけるのが、図3のような、そのプレゼンをする会議やシンポジウムの名称がフッターに書かれているプレゼンスライドです。さすがに、そのプレゼンを聞いている聴衆全員、そのぐらいの情報は知っているはずです。そんなみんなが知っていることをわざわざ全スライドにわたって見せつけなくてもいいのに・・・と筆者は思ってしまいます。デザインテンプレートにも使い方によっては功罪があることを覚えておくとよいと思います。
他にも、一貫性を生み出す方法として、同じフォントを使う、階層ごとにフォントサイズを揃える、配色を統一する、イラストの雰囲気を合わせる、左揃えなら終始左揃えに、中央揃えなら終始中央揃えにする、余白距離を同じにするなど、様々な方法があります。いずれもプレゼンスライドの最初から最後まで、自分でルールを決めてそれらを徹底して守り抜くことが大切です。PowerPointやGoogleスライドでは、これらのルールをデザインテンプレートとして設定している場合も多いと思います。そうすると、それほど意識せずとも、自動的にデザイン的な一貫性を醸し出すことができるので、実際に実践している人も多いのではないでしょうか。
雰囲気が統一されたイラストをワンポイントで使うのも、一貫性を生み出す効果的な方法の一つです。組織ロゴをスライドの同じ位置に必ず置いているプレゼンスライドをよく見かけますが、それもこの効果をねらったものと言えます。ただ、やり過ぎると目障りになるので、注意が必要です。
ピクトグラムやアイコンのような単純化されたイラストをアクセントとして使うのは、プレゼンスライドに限らず、例えばウェブサイトなどでもよく見られるテクニックで、見ている人を飽きさせない、構成にリズムが生まれるという意味でも効果は大きいです。そのとき、全体を通じて統一感を出すためには、例えば図4のように、使うイラストの雰囲気や色味をそろえておく必要があります。
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