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とにかく整列させること、それがプレゼンスライドデザインの基本中の基本

プレゼンスライド制作におけるデザインの基本セオリーの一つが「整列させる」です。配置、大きさ、距離など、あらゆるものを空間的に徹底的にそろえます。適当に配置することはせず、すべての要素を意識的にそろえて配置します。これだけで圧倒的に美しくかっこよくなり、見やすくわかりやすくなります。

プレゼンスライド作成におけるデザインの基本セオリーの一つが「整列させる」です。スライド1ページの中で、あるいはスライドの全ページにわたって、配置、大きさ、距離など、あらゆるものを空間的に徹底的に揃えます。決して根拠なく配置することはせず、すべての要素を意識的に整列させて配置します。たったこれだけであなたのプレゼンスライドは圧倒的に美しくかっこよくなり、すっきりと見やすくなります。

図1 とにかく整列させることから始めてみる

整列の種類も様々です。図2を見てください。左揃え、中央揃え、右揃え、上揃え、下揃えなど、いろんな位置を基準にして整列させることができます。テキストに限らず、テキストボックスや図、写真、グラフなど整列させる対象も様々です。どの整列のさせ方が正解なのかは時と場合によるので、一概にどの整列方法がいいと言うことはできません。それぞれ効果も異なります。

図2 整列の種類もいろいろ

覚えておいてほしい整列に関するテクニックの一つが、「見えない線を意識しながら整列させる」です。見えない線とは何でしょうか?図3を見てみましょう。例えば、左揃えの横書きのテキストがあったとします。左揃えになっているため、そのテキストボックスの左側には何となく基準線(点線で示しています)があるように見えてきませんか?これが「見えない線」であり、例えば他のテキストや図など、要素を追加で配置するときに、この「見えない線」にそって配置すると全体として揃っている感が生まれます。中央揃えの場合はその中心に見えない縦線が、右揃えの場合はその右側に「見えない線」が見えてきますので、それにあわせてレイアウトしていきます。これはとても簡単なテクニックなので、誰でもすぐにでも実践できます。

図3 左揃えにするとそこに見えない線が見えてくる

スライドに配置するコンテンツによっては、はっきりと見える主張の強い「見える線」もあります。その「見える線」に合わせるのも、整列の一つのテクニックです。例えば、図4のような写真(ここではイラストで代用)を背景に使う場合を例に考えてみることにします。建物には壁があるので、はっきりと縦線が見て取れます。その線を意識しながら写真の上に左揃えのテキストを重ねて配置すると、きれいに整列されているように見えます。逆に、ここに中央揃えのテキストを配置すると、不自然さが発生してしまいます。見る人に違和感を感じさせないためにも、徹底的に整列させます。

図4 建物の壁の縦線に揃えてみる

次に、図5のような、斜め線を基準にしたロゴを使う場合を考えてみます。この場合、非常に主張が強い斜め線があるので、それに合わせて他の要素、例えばテキストを整列させるというのも一つのアイデアです。ただし、あまり露骨にやり過ぎると、わざとらしさが出てしまいますので、気を付けたいところです。

図5 ロゴには斜めの線があるのでそれに揃えてみる

見える線や見えない線に合わせて揃えるといことは、つまり、そこに配置するコンテンツを調和させる、ということです。図6を見てください。風景写真を背景に使って何か説明をする場合を考えてみます。今回は、写真をイメージしたイラストを使っています。中央に軸があるような左右対称の風景になっているため、スライドデザインとしては、中央揃えで統一するのが正解です。テキストを中央揃えにして、一部だけ左揃えと右揃えの要素もありますが、それらを左右対称に配置することで、中央の軸を印象づけています。このように、コンテンツに合わせて整列させていくアプローチはデザインにおいて非常に効果的です。

図6 配置されたコンテンツに合わせて整列させてみる

コンテンツに合わせた整列方法を選択すると見栄えがよくなるということは、逆に、整列方法に合ったコンテンツを用意してもよい、と言い換えることもできます。本来、コンテンツに合わせてデザインするべきなので、本末転倒になってしまいますが、どのコンテンツを使うか選ぶことができる場合、あるいはコンテンツをこれから新たに作る場合は、このアプローチも悪くありません。コンテンツを自分で作ってスライドのデザインも自分でやる、というケースでは、コンテンツとデザインを行き来しながら作り上げていけるので、コンテンツとデザインの両方に対して柔軟に対応すればよいでしょう。

ここまで綿密に整列させていくと、整列されていない箇所が少しでもあると、逆にそれが違和感となって悪目立ちするようになってきます。なので、わずかな隙も作らないように、微に入り細に入り気を配って、徹底的に整列させましょう。



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