大切なのはセオリーとロジック
プレゼンスライドのデザインで大切なのはセオリーとロジックです。デザインで大事なのはセンスだと思う人も多いかもしれません。もちろんセンスも重要な要素です。でも、情報を適切に伝えるためのデザインの原理原則を守り、プレゼンの内容を理解して内容の筋道、論理に従うだけで、デザイン的に優れたプレゼンスライドへ仕上がります。センスは追加オプションのようなもので、セオリーをしっかり守ってロジックに従っていることの方がはるかに大切です。
セオリーとはデザインにおける理論や原則です。簡単に言うと、例えば重要な部分は目立つように大きくする、といった類のことです。例えばそれがテキストの場合、図2に示したように、それを強調したい場合、文字サイズを大きくする、太字にする、アンダーラインを引く、目立つ色をつけるなどの装飾を加えるのがセオリーです。みなさん誰でも普段から普通にやっていることだと思います。
一方、ロジックに従うとはどういうことでしょうか。例えば、AならばB、BならばCという三段論法を例に考えてみましょう。この場合、図3のように矢印を使って相互関係を図示するのが一般的で、効果的です。次に、肉と野菜の種類を説明しなければならないケースはどう見せるのがよいでしょうか。おそらく、階層構造を使ってレイアウトすることで、その関係や属性を視覚的に示す、というのが正しいやり方でしょう。これがロジックに従ってデザインするということです。内容を正しく理解した上で、論理的に正しく示すことで、見る人の理解を手助けできているわけです。
たったこれだけのことで、伝えたいことを正しく伝えることができます。こんな簡単なことをやるだけで本当に十分なのかと疑う人もいるかもしれません。しかし、その簡単なこと、とくにロジックに従うということをちゃんと実行できていないケースは、じつはよく見かけます。先ほどの肉と野菜の分類のような簡単なロジックなら説明するのも簡単で、誰でも理解できます。
一方、みなさんがプレゼンスライドで説明しようとしていることは、かなり専門性の高い内容で、その説明を聞かされる人はそもそもその内容を知りません。なので本来、論理的に、丁寧に説明しなければならないはずですが、あなた自身はその内容をよく理解していて背景や前提についても知っているため、そのロジックを意識しないまま、なんとなくプレゼンスライドを作ってしまっている場合が散見されます。内容のロジックを示しながら説明を展開しなければ相手にうまく伝わらないということを、そもそも意識していないこと、それが根本的な問題です。
まずは、セオリーとロジックが大事だと意識することから始めましょう。それが、デザイン上達への第一歩です。
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