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【参加作掲載】新年のご挨拶&寄せて返す波 part1(12/9~1/4)

新年おめでとうございます。詩誌La Vague事務局です。

2023年に創刊した詩誌La Vague、今年も引き続き、詩を楽しみつつ読者のみなさまと「わたし(たち)」の詩誌を作っていけるように尽力していく次第です。

もちろん、心の痛む出来事から始まった2024年ですが、わたしたちのことばがめぐりめぐって、心痛む思いのみなさまに届くことばになればと願ってやみません。

どうぞ今年もよろしくお願いいたします。

返詩企画、「寄せて返す波」へのご参加ありがとうございます!

今回はすべてのご参加いただいたものをまとめることはできませんが、期間内に事務局でまとめますので、みなさまの力作を心よりお待ちしています。

ご参加の時の注意点などはこちらをご覧ください。

※時系列にそれぞれの媒体でまとめています。不備がありましたら詩誌La Vagueのメール la_vague_2023@gmail.com にご連絡ください。できるだけ早く対応いたします。ご投稿くださった方のお名前は敬称略といたします。

なお、詩誌ラヴァーグ創刊号はこちらから購入できます。
POD(プリント・オンデマンド)という形式を使っていますので、発送までにお時間をいただく可能性がございます。なにとぞご了承ください。

電子版のデータをご希望の方はこちらからも購入できます。


◆Xからのご参加

Kiyoko | 北川清子(@kiyoko_ki )

#ポエラヴ #うまれる #紫衣

 名は船子

戦争が始まった
男は大陸に残った
女は船に乗った息子の待つ島国に戻るために
女は新しい命をも宿していた

寄せては返す波
寄せては返す波


離島への船が出航の汽笛を鳴らす
その瞬間
あの命が産声をあげる
その子の名は船子
私が名付けてあげた
二人の航海がたった今始まったところ

月夜案山子(つきよのかかし) (@raruuna39)

#ポエラヴ #うまれる #シーレ布施

死を逃した蝉が
冷や汗を隠すように鳴いている頃
幼少期から書いてきたとはいえ
血液に組み込まれるほど
書いてはいない詩を
黒インクに込めて
紡いではいるものの
インク切れしないかと
ビクビクしている
挙動不審の備長炭が
詩を書いている
灰をうんでいる

大島 芳(@BnI7w3SiFaljDlD)

#ポエラヴ #うまれる #佐山由紀

まるで「この世の終わり」を嘆くような精一杯の声と表情で、はじめましての「この世」で呼吸を始めた怪獣は、散々暴れ回って私の人生も価値観もボロボロにしてくれた。
あれから幾年の「この世」で再びあの表情をするか。物好きめ。
因果は螺旋を描いてめぐり、
女の尊厳も自尊心も全部分娩台の上に更け出して、「この世の終わり」を絶叫する塊を絞り出した。
よく頑張ったよ、おめでとう。そしてざまぁ見ろ。
その子はあなたの価値観をボロボロにします。保証します。
子に笑われないように、せいぜい育児に励みなさい。
孫よ。
頼りないママをお願いね。

◆Instagramからのご参加

Instagramからもご参加をお待ちしております!

◆メールからのご参加

竹本祥子

RE 豊穣 (豊穣 向坂くじらさんへの返詩)

(長い昼は請け負)われた
(生まれた)から
(ぼくたちは)歩き出す
(炊きっぱなしの炊飯器)から
(眠)りをさまし
うごめく
すっくと二本足で立ち 歩行する
(電源)は(入れ)られたのだ
(眠)りからさめた(赤ちゃん)は
万事OKと(つぶやい)て……
何もかも(請け負う)大人になった
(しかたない)が口ぐせの大人に
そうして(母)に任せられた
(弟)になった
(老いた父親が迎えにやって)くる前に
(プリンターの電源を入れ)
(データ)を完成させよう
また
(排紙口から赤ちゃんが出て)くる

( )内は、本文から引用させていただきました。

竹本祥子

命 (紫衣さんの写真への返詩)

さあ
呼吸をしてごらん
その水疱をやぶり
ころんころんと
生まれておいで
神聖なもの
きらきらと輝く
透明なもの
それは命
命は透き通る
神聖なもの
この手に抱いて
慈しみたい
透明なもの
生まれる

竹本祥子

命 2 (紫衣さんの写真への返詩 2)

まるい水疱
確かなもの
きらきらと輝いて そこに在る
ひとつが ふたつになる
増殖された 確かなもの
誰からも おかされない

水底より湧き出た
透明の それは
生きるために 生まれた
生まれて 生きてゆく
きらきらと輝いて
そこに 在る

そこに存在して
わたし達は 信じる
命の 確かさを
絶対に 裏切らない
透明なもの
あなたを わたしを
存立させる

水はゆらぐ
そうして また
増殖してゆく
存在の 確かさ
生まれる

参加型企画「寄せて返す波」は1/8まで受け付けております。
1/5~1/8のご参加の詩はまた次の記事でアップします。
わたしたちLa Vagueと対話するように、楽しんでご参加いただければさいわいです。

よろしければサポートをお願いします。いただいた分は、詩誌の発行費用・ゲストへの謝金・新たなコラボを生み出すための資金として使用させていただきます。