【デッサン】 -モチーフ編(番外):黒梅酒-
絵画の題材で使われる物は、さまざまあります。
牛骨であったり、空の瓶であったり、バスケットボールであったり。
今回はその中の1つ。
梅酒についての、いつもとはちょっと違った“番外”のお話です。
モチーフに使われた“梅酒”
先日、お世話になっている絵画教室の先生から、梅酒をいただきました。
毎年、受験生の課題として作られている物だそうです。
きっと、ガラスの質感とその中にある柔らかな梅に、液体による色の変化…そういった狙いで課題にされているのかなと思います。
漬けるけれど、いつも飲まれないとのことで、長年熟成された梅酒をいただいてきました。
古いものは色が変わり、黒くなっていました。
滅多にお目にかかれない梅酒。せっかくなので、こちらをいただくことにしました。
ちょっと、怖いもの見たさもあります。
さすがに、と心配された先生が、もう一本、比較的新しく漬けられたものも一緒にくださいました。
瓶に書かれた年を見ると、ちょうど自分が学校を卒業した年。
記念の梅酒として、有り難くいただくことにしました。
黒梅酒と豚の角煮
さて、家に帰って早速、黒い梅酒の蓋を開けてみると、香りは梅酒そのもの。梅のいい香りがします。
洗った杓子で1杯分掬い取って、そのまま味を見てみることに。
よく市販されている、ライトなものとは違い、深いコクのある梅酒でした。
なかなか面白い味です。ただ好みは分かれそう。
一緒に飲んだ家族が「これは料理にも使えそうだね」と一言。
コクのある黒い梅酒を使った料理。なんだか、とても美味しそうに思えました。
その週のうちに家族が“豚の角煮”を拵え、食べることに。
お供には、ロックの黒い梅酒を一緒にいただきました。
箸を入れると、ほろりと肉が崩れ、思わず味への期待値が高まります。
パクリと一口。
はじめ、口の中でほんのりと梅の香りが広がり、豚の脂と味付けに使われた醤油で口内に満たされます。
美味しい。
素敵な季節の一品でした。
意外な発見
“黒い梅酒”は意外なことに、底に“澱”が一切溜まっていませんでした。
入っているのは、シワシワになった梅の実だけ。
よほど、梅のエキスが出尽くしたのでしょう。
なかなかの見た目になっていました。
物は試しと、1粒食べてみました。
なんと、梅酒本体よりまろやかで美味しかったのです。
今回、”黒い梅酒”をいただきましたが、あくまでこれは個人の感想であり、良い状態で保管されていたため美味しくいただけたものであります。
みな様のご家庭に、もし眠れる“黒い梅酒”がありましたら、それは
まず匂いを嗅ぎ、中の様子を確認し、指の先にちょっぴりと味見をして、決して無理をしないことです。
食中毒は恐ろしく、熟成と腐敗は紙一重です。
まとめ
モチーフに使った食材は、もちろん食べることができます。
むしろ、描いた後の楽しみでもあります。
口にすることで、その食材から感じた印象を、今度同じ題材を扱ったときに絵の中に込めて描いてみるのもいいかもしれません。
今回、梅酒をいただいて、モチーフも“美味しい状態”でいただけるのが一番良いなと思ったお話しでした。
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