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【わたしのイッピン】 -切手-

気が向いた時にひっそりと集めています。
今手元にあるのは、10シートほど。コレクションというには少なすぎるけれど、使っていくうちに減っていってこの数になりました。

集めているのに使っちゃうの?と思われたでしょう。

確かに集めているけれども、“使ってこその切手”だと思っています。
人に送ることで“自分の好き”や“素敵と思ったもの”を知って貰えるからです。

あの人はこの切手が好きそうだなと思うことや、今の季節だからこれにしようと選ぶのも、すごく楽しい。切手や手紙ならではの楽しみ方だと思います。

実際に、わたしも送られてきた便りの切手に惹かれた経験があります。

社会に出て間もない頃に、恩師から届いた1枚の葉書。
それは展覧会の案内だったのですが、切手を見て“さすが、先生だなぁ”と学生の時を思い出して、なんだか嬉しくなりました。

星の物語シリーズ 第2集 / 日本郵便株式会社

貼られていたのは、綺麗な満月の切手。
先生らしい、繊細で神秘的なチョイスでした。

それが切手を好きになったきっかけの1つです。

先生が書いた”来てね。”の文字と作品の写真。一つ一つがなんだかとても温かく感じられて…。
“いいなぁ。わたしも、こんな素敵な便りを送れる人になりたい”
そう思って、今のわたしの趣味があります。

星の物語シリーズ 完結編セット / 日本郵便株式会社

写真の『星の物語の切手』は、先生の“月の切手”と同じシリーズのもの。
なんと、冊子と便箋の付いた豪華な仕様です。

切手を選ぶ時は、相手のことを思い浮かべて、届いた時に一緒に喜んでもらえるかなと、わくわく想像しながら貼っています。

たまに切手の額が足りなくて、ちぐはぐの絵柄ばかりになってしまうこともあのですが、それもまたおもしろいなと思うんです。子供の頃、缶の中に集めたたくさんの宝物のようで。組み合わせを楽しんでいます。

やっぱり、切手っておもしろい。

好きな絵柄を探すのも。思い出のデザインを選ぶのも。その先の相手に届くことを考えるのも。

今はスマートフォンで気軽に連絡が取れるけれど、“いい切手を手に入れたから。”“素敵なレターセットを見つけたから。”そんな理由で手紙を送ってみるのもいいんじゃないかなと思います。
疎遠になっていた人にも季節の挨拶として、手紙を送れば、久しぶりに連絡を取るきっかけになるかもしれません。

それに手紙ってもらうと嬉しいです。

送ってくれた人のお話や想い、ちょっとクセのある文字、紙に収めるために選んだ1つ1つの言葉、便箋のデザイン。もちろん、切手も。

なんだか、紙の中に“その人”がぎゅっと詰まっています。

手紙と便箋

レターボックスにしまっている手紙たちを時々、蓋を開けて見返してみるのもいいです。
懐かしかったり、嬉しかったり、励まされたり。
貰った時とはまた違った良さを感じられます。あとわたしの場合は、気づいたら笑っていて、胸が温かくなっています。

思い出の一つの“かたち”として、わたしの大切な宝物です。

もし、わたしが出した手紙が同じように相手にも感じて貰えていたなら、すごく嬉しいです。

そうして、いつか誰かに送るための、自分の好きな切手を集めています。

みなさんも、大切な誰かに自分の好きな切手を使ってお便りを出してみるのはいかがでしょう。
きっと、普段とは違った楽しさが見つけられると思います。


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