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育成年代トレーニング

育成年代(特に9〜12歳)のトレーニングと成人のトレーニングは、発達・発育の過程より、その目的を分けて考える必要があります。

スキャモンの発育・発達曲線より、育成年代では神経系が向上し、筋力の向上は十分には望めません。
そのため、成人が行う様な腹筋トレーニング、スクワットなどの高負荷なトレーニング、走り込みなどの持久系トレーニングは育成年代では効果が得られにくいと言えます。

特にゴールデンエイジと言われる神経系の発達が完了するこの時期のトレーニングは、それ以降の運動能力を左右するため貴重な時期となります。

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スキャモンの発育・発達曲線

R.スキャモンが提唱した発育・発達過程の曲線であり、リンパ型・神経型・一般型・生殖型に分かれ、それぞれがどの時期に成長するのかを示しています。

神経系は生後0歳から急激に発達し、4歳で成人のおよそ80%、6歳ではおよそ90%まで発達すると言われています。

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引用|http://katraining.ehoh.net/new1018.html


ゴールデンエイジ

プレゴールデンエイジ(3〜8歳)
神経系が成人の80-90%まで発達する時期になります。
運動能力の基盤が形成される時期であり、様々な運動を通してコーディネーション能力の向上が見込めます。
遊びの楽しさを通して様々な運動をすることが望ましい時期と言えます。

ゴールデンエイジ(9〜12歳)
運動の技術を即座に習得できる時期であることから、ゴールデンエイジと呼ばれています。
神経系が成人と同等のほぼ100%まで発達します。
上述し通り、筋力トレーニングや持久系のトレーニングよりも、コーディネーショントレーニングの効果が見込める時期になります。
神経系の発達により、スポーツにおいては技術を習得する能力が向上する時期のため、テクニックを身に着ける最適な時期となります。


コーディネーショントレーニング

コーディネーションとは調整力とも言われ、いわゆる運動神経と言われています。コーディネーション能力は7つの能力に分類され、それぞれが組み合わさり、運動能力として発揮されます。

リズム能力|動くタイミングを掴む能力
バランス能力|姿勢を保ち、崩れそうになっても立て直す能力
変換能力|状況の変化に応じて素早く切り替える能力
反応能力|合図に素早く反応し、適切に対応する
連結能力|身体全体をスムーズに動かす
定位能力|動いているものと自分の位置関係を把握する
識別能力|道具や用具を操作する

トレーニング例|
いわゆるバランストレーニングではバランス能力連結能力が養われます。
そのトレーニングの中で、リズムを伴えばリズム能力の養われます。ラダートレーニングが代表的なトレーニングになります。
またボールを使うなど道具の使用によって識別能力の向上が見込めます。


変換能力・反応能力は後出しジャンケンの様に、相手の動きにリアクションするトレーニングになります。

定位能力は空間認知や物体との距離感を把握する能力で、キャッチボールやリフティングがそのトレーニングになります。

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以上、育成年代のトレーニングでは神経系が向上するゴールデンエイジの特徴を考慮し、コーディネーション能力向上のトレーニングが必要になります。
参考にしていただけたら幸いです。

育成年代トレーニングはこちら

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平 純一朗|タイラ ジュンイチロウ

Medical Fitness Ligare(https://ligare-matsudo.com)GM 2016-
L-fit.(https://l-fit.org)代表 2017-
トレーナー養成校非常勤講師 2011-
KSL関東サッカーリーグ1部所属チームトレーナー 2016-
V2リーグ女子所属チームトレーナー 2016-
【資格】
理学療法士
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー

Twitter|https://twitter.com/tjichiro
Instagram|https://www.instagram.com/l_fit.training/

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