動作改善アプローチ ver.1
スポーツ選手に限らず多くの人が、自身のパフォーマンス改善を図ることを目的としてトレーニングを行なっているのではないでしょうか。
パフォーマンス改善のためのトレーニングでは、柔軟性の改善、筋力強化によって身体の限界値を広げ、表現できる能力を高めることで技術向上を目指し、トレーニングを行います。
しかしパフォーマンスの指標は不明確で、トレーニングが自身の能力向上とどのようにリンクするのかが曖昧なため、トレーニングを厳しくすることが目的となってしまうことを多く経験します。
多くのスポーツ選手に対応する中で、このトレーニングで必ずパフォーマンスが改善するというトレーニングは存在せず、自身に合ったトレーニングがパフォーマンスを改善すると考えます。
このnoteでは、パフォーマンスアップに必要なトレーニングの手順と必要な徒手療法・動作改善を目的としたトレーニングをご紹介していきたいと思います。
手順の過程の中で個々に必要なコンディショニング・トレーニングを選択していきましょう。
動作改善とジャンプパフォーマンス
ジャンプパフォーマンスは競技レベルと相関するとされており、競技パフォーマンスを高める上でジャンプ力の改善はわかりやすい指標になると考えます。
ジャンプパフォーマンスの改善には、筋力強化はもちろんのことその動作の
改善も必要となります。
Loading局面において股関節を屈曲させ、股関節伸筋群をエキセントリックに働かせることで、Explosion局面においてSSC(stretch shortening cycle)が働き、大きな力発揮が可能となります。
そのためジャンプ動作を習熟させるためには、股関節屈曲動作が必要となります。
また連続ジャンプ能力は素早く動く上で必要な能力となり、足関節のバネ機能(ウインドラス機構・トラス機構)を改善する必要があります。
足関節制御とアジリティ能力
足関節捻挫後に問題となりやすい動作として、Knee-inが多く見られます。
足関節捻挫はKnee-outで足関節に対して内返しのストレスが加わり捻挫することから、その動作を回避するためにknee-inの動作が習慣化されています。
つまりknee-outに対して、足関節で制御できない状態は動作の多様性が低下(回旋動作の低下など)し、他関節の代償につながり、サイドステップを中心としたアジリティ能力が低下してしまいます。
knee-outの安定性獲得には距骨内旋、可動性アーチ機能(特に外側縦アーチ)の獲得及び股関節内旋動作による制御が必要となり、その改善によってサイドステップの改善が見込めます。
荷重位で股関節内旋する際に足底外側に足圧が偏位することから、足底による制御に伴う股関節内旋運動の獲得が必要となります。
股関節制御とアジリティ能力
方向転換では方向転換前の脚(1歩前もしくは、2歩前)による減速動作(減速力)が重要であり、減速動作が十分であるほど、水平方向への重心移動が小さい(あおり動作が少ない)とされています。
さらに、状況判断を伴わない場合(自分で方向転換する方向を意思決定する場合)、方向転換前に体幹回旋角度が大きくなるとされています。
そのため、方向転換能力を向上させるには、減速力を高めることと、体幹回旋をコントロールすることがポイントとなります。
以上のように動作改善を主の目的としたトレーニングによって、パフォーマンスの改善が図れますが、筋力強化トレーニングは必須であり、ジャンプ動作や方向転換時の筋出力を向上することは減速力や加速力の強化となり、更なるパフォーマンスの改善を見込めます。
つまり、
まずはフォームを改善し適切な動作を獲得すること。
フォームの改善に加えその動作での筋出力の改善を図ること。
この2点を両立させてトレーニングプログラムを構築させる必要があると考えます。
スクワット動作の改善
体幹前傾を最小限にした状態で股関節を捉えることで、動き出しの予備動作を少なくし素早い動き出しを獲得を目指します。
※トレーニングを始める前に、筋機能や関節機能の改善は必須であり、徒手での介入なケースもあります。
脊柱コンディショニング方法▼
姿勢制御・運動制御のためのトレーニングの考え方▼
それでは、以下にトレーニングの手順をご紹介していきます。
動作改善に必要な徒手療法・トレーニングを学びたい方は是非続きをご覧ください。
1.最低限の筋力強化と動作改善
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