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PT×ATの思考の整理

フィットネスジムでのコンディショニング ・パーソナルトレーニング、スポーツ現場でのトレーナー活動で得られる経験から、その知識・技術をnoteに整理して行きます。日進月歩の医学の世…
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2021年6月の記事一覧

ヒラメ筋機能改善のための徒手療法・運動療法

足関節の安定化に重要な筋とされているヒラメ筋について、その機能と機能改善方法をご紹介していきます。 ヒラメ筋は約90%程度がタイプⅠ線維で構成されているため、姿勢保持に貢献している筋とされています。 また生理学的断面積が大きく、力発揮にも有利な筋となっています。 そのため、足関節の安定化にはヒラメ筋の機能を改善する必要があり、安定した土台を構成する上でヒラメ筋の機能改善が必要となると考えます。 1.ヒラメ筋の解剖起始|腓骨頭から腓骨後面・脛骨内側縁 停止|アキレス腱を介

大殿筋機能改善のための徒手療法・運動療法

トレーニングをする上で最もメジャーな筋肉の1つである、大殿筋トレーニングについてその目的と方法を整理していきます。 大殿筋は生理学的断面積が大きく、モーメントアームが長いことから力発揮に有利な筋であり、 お尻をしっかり使って止まる といった、ストップ動作で重宝される筋として有名なのではないでしょうか。 しかし、大殿筋が硬くなり股関節の柔軟性が低下するケースも経験があるのではないでしょうか。 お尻を使う一方、お尻の柔軟性も必要とされ、筋力・柔軟性どちらも要求される筋で

オーバーヘッド動作に必要な胸郭安定性

投球動作、アタック動作で必要な胸郭安定性の評価とアプローチ方法をお伝えします。 胸郭は様々な関節で成り立ち、上半身質量中心があることから、柔軟性が確保されていることで姿勢・動作を安定させることに貢献するとされています。 しかし多くの場合、胸郭の可動性が低下することで呼吸機能の低下、肩関節の可動性の低下、さらには下肢疾患の原因となるなど、様々な問題の原因にもなりやすい部位とされています。 そのため胸郭の可動性獲得が優先され、可動性が改善することで多くの主訴が改善することを

アキレス腱炎に対する評価・アプローチ

1.アキレス腱炎とはアキレス腱は腓腹筋及びヒラメ筋が停止し、踵骨に付着する腱組織となります。 アキレス腱周囲組織は血流に乏しく、組織修復が不十分な状態で牽引ストレス及び剪断ストレスを繰り返すことにより、炎症が慢性化しやすいことが特徴として挙げられます。 アキレス腱炎は疼痛発生部位により、踵骨付着部障害(アキレス腱付着部・滑液包)と腱実質部(踵骨付着部より2-3cm上)障害(アキレス腱内・アキレス腱周囲組織)に分けられます。 アキレス腱周囲組織として、血流豊富でアキレス腱と