「創作広場をつくろう」の創作過程。
初めまして。
関東で役者をしています、
地域密着型一人演劇ユニット『赤キノコ山と蒸したお酢』代表、
創作広場「けい」作家部・俳優部のオガワジョージです。
今回は、2024年3月24日(日)に予定する”創作広場をつくろう”という企画の進捗を公開します。
2022年から構想を練り、2023年にさまざまな企画を通して実践してきた、「場」と「コミュニティ」づくりの活動のひとまずのゴール地点と言える企画です。
このnoteマガジンはブランディングの一つとして、地域に向けての活動記録を公開し、経験を共有することを目的に行っています。地域への表現活動に関心のあるクリエイターさんに見ていただけたら嬉しいです。
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「創作広場をつくろう」おさらい
創作広場関連のnoteの文章を引用・加筆修正しつつおさらいしていきます。
創作広場とは…
掲載したnoteの文章をまとめてみました。
(一部言葉の加筆修正あり)
という企画でした。
便宜上、これからは「けい」を省略して書いていきます。
「場」のみでは集まる人がおらず、「コミュニティ」のみでは集まる居場所がありません。
「場」と「コミュニティ」がセットになることではじめて、お互いが機能しあうと考えていきます。
創作広場を図で例えると…
創作広場は”表現”という関心をもとに緩くつながる「コミュニティ」を目指します。
クリエイターだけでなく、表現に関心のある一般職の方も参加できます。
さまざまな背景をもつ参加者が集まり、安心して楽しめるコミュニティをつくるため、創作広場には参加者用のグラウンドルールをもうけます。
創作広場をつくる動機と目的
”開かれたコミュニティ”があったら良いなと感じたため、創作広場をつくろうとしています。
僕は演劇コミュニティにいます。
演劇は"閉じやすい"性質や仕組みがあると考えました。
演劇コミュニティにはこういった状況があります。
他に稽古場や劇場という場の場所性、お芝居は専門性が必要な表現であることも含まれます。
内側にぐっと集中しやすい環境と性質が”閉じやすさ”のイメージです。
そしてこれは別の表現分野のコミュニティも言い換えられるのではないか、とも考えています。
それらの状況を変えるために、別々の表現分野のコミュニティの人たちが集まる”開かれたコミュニティ”をつくりたいと考えました。
閉じたコミュニティでも創作活動はでき、内側でお金や情報はまわるため、困る人は少ないかもしれません。
しかし開くことによって、
さまざまな分野のコミュニティにいる人たちが、内外で得たお金や情報を、内外で巡らせる状況にできるのではないか。
それぞれの表現の性質が合わされば、今までにない豊かな創作が生まれ、さまざまな人たちが体験できるのではないか。
開いたコミュニティではどんなやり取りがされるのか。
それに向けて実践するなかで「あった方が良いんだ」と思える、有意義な何かが見つかる。
そう信じて、2023年度の活動では1年かけてさまざまな実践を重ねました。
※
こちらのnoteに、さらに詳しい背景が書かれています。
つくるための実践
コミュニティには場が必要で、その逆もしかりです。
オガワが普段行っている3つの活動「継」「稽」「憩」のうち、
体験の場づくりをするのが「稽」、
コミュニティづくりをするのが「憩」です。
そのどちらも”開く”ことによって、
”開いたコミュニティ”と”開いた場”を両立させていき、
内外に行き来できるようにします。
「稽」と「憩」
2023年上半期はそれらを単発的に、下半期は継続的に企画運営しました。2023年1月~2024年1月までの具体的な活動…
「稽」
・23年4月 行きかう記憶 The Sand Falling To The Sky
・23年6月~23年12月 音と身体で遊ぶ会
・23年9月~24年1月 サロン ことの葉
・23年10月 音色、ひかる
「憩」
・23年5月 たこ焼きパーティー
・23年8月~24年1月 わかば本読み会
こちらに各企画のレポートがありますので、よろしければ覗いてみてください。(記事タイトルにないものは月間レポートとしてまとめています)
前提として”開く”ために「演劇コミュニティの人だけが集まるようにしない」ように心掛けました。また、集まったとしても単にお芝居をする「演劇」ではなく、それをしない別の形の演劇を行うようにしました。
※
別の形の演劇については他のnoteにまとめます。
単発企画では1日の流れを制作段階で想定してつくりますが、
継続企画では全体の流れを想定したうえで、各日程の細やかな流れをつくっていくようでした。
単発では難しかったものの、継続企画では「場」に何度も人が集まるため、そこに「コミュニティ」が生まれ始めました。
サロンことの葉はまさしく場にコミュニティが生まれた実践でした。
月光荘サロン月のはなれ
「場」と「コミュニティ」を開いたものにするには、まず僕自身が開いた場を知り、かつ開いた存在であった方が良いと感じていました。
2023年2月にご縁がつながり、月光荘サロン月のはなれに入社しました。
月のはなれは飲食×音楽×美術がそろったお店であり、
一般のお客様もいれば、アーティストやクリエイターも同じ空間にいます。
ときにそれぞれが話しかけて交流が生まれたりもします。
まさしく僕が思う開いた場であり、開いたコミュニティがありました。
他にも入社のきっかけはありますが、1年間働いて学んだことは「受け入れる」ことでした。
いらしたお客様を場に受け入れ、精一杯もてなす精神。
これが空間全体の居心地の良さをつくり、人の交流を促すようでした。
交流が生まれると、自然と心も少しずつほぐされ開いていきます。
開くには「さまざまな文化的背景をもつ人を受け入れる」ことが大切だと実感しました。
2023年度は、
「場」と「コミュニティ」をつくる継続した実践と、
さまざまな文化的背景をもつ人たちを受け入れる精神を培いました。
つくれたかどうかの視点をもつ
本企画「創作広場をつくろう」が開いたコミュニティをつくれたかどうか、評価の視点をいくつか決めておくと良いなと考えました。
今設定しているグラウンドルールが、
「開いたコミュニティのためのルール」として正しいものだとしたら、視点としても使えそうです。
以上の視点です。
これに「参加型・質的評価手法MSC」というものを組み合わせて、
開いたコミュニティをつくれたかどうかを検討してみたいと考えています。
※
日本劇団協議会のこちらのページから資料をダウンロードできます。
※
グラウンドルール自体が「開いたコミュニティのためのルール」として正しくない場合もあり得ます。そこも含めて調査していきたいです!
※
それぞれのクリエイターの活動や運営についての視点は、創作広場自体が今後続くときに当てはまる視点なので、今回の企画では省きます。
つながり合うための内容と工夫ver.2
先ほどの評価の視点です。
評価ができるように、創作広場での催し物を対応させていきます。
打ち合わせを終えて変更が加えられた最新版の企画整理書です。
よろしければ覗いてみてください!
Instagram用フライヤー
オガワの主な情報伝達方法はXとInstagramの2つです。
Xのフォロワーは演劇コミュニティの人たちが多く、
Instagramのフォロワーはそれ以外のコミュニティの人たちが多いです。
演劇コミュニティ以外の人たちが見て、分かりやすいようなものをつくろうとしました。
今後はA4サイズのフライヤーを作成、印刷、配布をする予定です。
※
挨拶文で”拠点”という言葉を用いています。
今のところ「場」と「コミュニティ」が合わさっているようなイメージ。
2つの言葉の文脈の説明を省きつつも、やりたいことが伝えられる言葉として用いていますが、まだしっくり来ていない感覚もあります。
カフェ「アトリエlive」
2024年1月14日にカフェチームの打合せをしました。
2023年度の「アトリエ憩」からグレードアップし、実際のカフェに寄せた内容にしています。
つながり合うための工夫…
・名刺や名札を入れるネームタグの配布。
・色分けシールを貼り、どんな表現分野にいるかを分かりやすくします。
・作品などを持ち寄って置けるミニ展示スペース。
・創作広場のこれまでとこれからをまとめた「けい」展、HP記載用参加用紙
・ギャラリーや絵を観ながら、リビングで談話しながらくつろげる自由度の高い空間、導線づくり。
以前との変更点…
以前の企画整理書では1階カフェスペースも使う予定でした。
しかし、展示を目当てにいらっしゃる方と、創作広場を目当てにいらっしゃる方がいると気づきました。
そのため、1階と2階で見分けをつけやすく導線でぶつからないために空間を切り分けることにしました。
その他の主な変更点はなく、ゆきひろくん主導で制作段階に入っています。
「まわる水に月が映る」コラボWS
2023年11月20日、2024年1月15日、2月26日と打合せを重ねました。
コンセプトの共有やカフェチームの進捗、創作広場の全体的な運営の話をすり合わせながら進めます。
こちらの詩と展示空間の構想をもとに、身体ワークショップの内容を考えていました。
展示内容と対応したワークショップをしたいと思いました。
テーマに沿って、1階と4階で別々のワークショップを交互に行います。
詳しい内容は振り返りnoteに記載します。
こちらは1月段階の打合せメモをいただいたものです。
つながり合うための工夫…
・鑑賞体験をより濃いものにするために、展示と対応したWSをする。
・対話と身体という2つのコミュニケーションの方向性を用意する。
・ワークショップの成果物を全員で見る/共有する。
以前との変更点…
「さくっと合作」案が変化し、展示と対応した対話と身体のワークへ。
チーム(複数人)で体験する、記録する、成果を共有することはそのまま引き継がれているように思います。
ごはん会
こちらは打ち上げ兼交流会を目指しています。
その日あったさまざまな体験を語りあう場になったら良いなと考えています。
つながり合うための工夫…
・表現とはあまり関係のない”食事の時間”をみんなで過ごす。
・感想を語り合える場をつくる。
・作り手側と受け手側の交わる場をつくる。
以前との変更点はありません。
その他にご協力いただく方々
カフェチームとも展示チームともちがうスタッフがいたら、
より集まった人たちとのコミュニケーションが豊かになり、
つながり合いやすくなるのではと思い、お声がけしました。
創作過程のまとめ
ただいま2024年3月5日です。
「創作広場をつくろう」まであと20日を切りました。
どんな場ができてどんな人が集まり、どんな話がやり取りされるのか、
予想はしていても当日まで本当に分かりません。
「人間賛歌」のときもそうでしたが、やっぱり地域の場で企画をするというのはそういうことなのだろうと思います。
劇場空間であれば、そこは演劇”だけ”の場です。
おそらく開かれたら開かれた分だけ、色んな人たちが来る。
一色ではなくグラデーションがある。
創作広場のコミュニティはカラフルなイメージがあります。
集まった人たちがもっている特有の色がまざりあうようなコミュニティ。
今までの活動では少人数(1~3人)制作が多く、
チームで動くことはありませんでした。
チームで動くだけでも、それぞれの豊かな色があると感じます。
それがより大きなコミュニティになったら、どれだけすごいんだろうと、今からワクワクしています。
残り数日、みんなでつくり上げていきたいです。
リンク集
令和3年度「演劇は社会の処方箋」やってみようプロジェクト PDF
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いただいたものはすべて創作活動にあて、全国各地を回って作品をつくったり、地域に向けた演劇活動の資金にします。「たった一人でもいいから、人生を動かす」活動をより大きく、豊かに頑張ります。恩返しはいつになるか分かりませんが、必ず、させてください。よろしくお願いします。