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【PMP×野球】#7:コミュニケーションマネジメント
「プロジェクトマネジメント」×「野球」
世の中には様々な”やるべき事”が溢れている。そのやるべき事を然るべき準備や手順(プロセス)で進めていく手法に”プロジェクトマネジメント”という概念がある。
あらゆる仕事に転用できるベースとなる概念・考え方だが、なんせとっつきにくくて分かりにくい。参考書を読んでもイメージもつきにくいし、頭に入ってこない。
そこでこのプロジェクトマネジメントを自分の大好きな”野球”というフィルターを通し、野球とのアナロジーを見い出しながら”プロジェクトマネジメント”を分解していく。野球というスポーツも、各自がそれぞれの準備や役割を正しく行う事で”試合に勝つ”というプロジェクトを遂行していると捉え置き換えれば少しは頭に入りやすいし、知識として定着するはずである。
苦手な食べ物を好きな食べ物と一緒に食べるように…
難解な用語を身近なものに置き換えることで覚えるように…
#7.コミュニケーションマネジメント
<計画プロセス群>
7.1:コミュニケーションマネジメントの計画
<実行プロセス群>
7.2:コミュニケーションのマネジメント
<監視・コントロールプロセス群>
7.3:コミュニケーションの監視
プロジェクトマネージャーの仕事の約90%がコミュニケーション関係に費やすと言われており、安定したパフォーマンスを維持するためにはこのプロセスを熟知しておく必要がある。
ここで定義している”コミュニケーション”はプレゼンテーションのテクニックなど狭義なものではなくて、プロジェクトのチームメンバー同士やステークホルダーとのやりとりなどプロジェクト全体のコミュニケーション設計に関わることがポイント。
コミュニケーションというと直接的な会話やそのテクニックをイメージしがちだが、どちらかというとプロジェクト全体でどういう風にお互いが意思疎通を図るべきか?という仕組みを作るプロセス領域である。
コミュニケーションマネジメントの領域を野球的なポジションで置き換えるとレフト(左翼手)となる。ちょっと”外野”的な視点、俯瞰しながらチーム全体のコミュニケーションを滑らかに流通させる潤滑油的な役割を担っている。
レフトは昨今のフライボール革命の影響もあり、外野のほかポジションに比べてもより打球処理機会の多くなってきているポジションであり、内野との中継連携や試合中での作戦実行、守備陣形の準備においてもよりチーム内でどうするかの決め事を内外野及びベンチ側とも意思疎通を図るルールづくりを必要とされるポジションなのだ。
7.1:コミュニケーションマネジメントの計画
コミュニケーションマネジメントの計画では個々のステークホルダーまたはグループ、プロジェクトのニーズや利用可能な組織の資産に基づいたコミュニケーションの適切な取り方と計画を策定するプロセスとなる。
レフトもまた9つある野球のポジションの中では比較的その役割の重要さが軽視されがちではある気もするが、実は外野という”物理的に離れている視点”かつ、反時計回りで走者が進行していくゲーム内においては試合全体を捉えやすいポジションでもある。
レフトの特性として打球処理頻度も多いことから捕球技術に優れた人を配置することはよく知られているが、欲を言えばその能力に加え”試合全体の流れを掴める野球勘”が欲しいところだ。
この2つのテクニックとブレーンを所持していると守備の駒としてだけでなく、ベンチやフィールド内(内野手やそのほか外野手)とのコミュニケーションの疎通力も強化されるし、チームとしての成熟度が格段に上がる。
コミュニケーションチャネル
プロジェクトにおけるコミュニケーションの複雑さを示す指標として予想されるコミュニケーション・チャネルや経路の総数を考慮するために使われる。
コミュニケーションチャネル計算方法:nC2 = n ×(n-1)/2
例)8名のプロジェクトにおけるコミュニケーションチャネルは?
→ 8 ×(8-1)/2=28 つまり28のコミュニケーションチャネルが存在
コミュニケーション方法(正式or略式/書面or口頭)
コミュニケーションの手段には”正式と略式”そして”書面と口頭”のそれぞれの組み合わせによる方法が存在する。言葉のイメージと若干齟齬が生まれやすい部分なのできちんと言葉の定義を具体的な事例と合わせてインプットが必要。(以下、Comはコミュニケーションの略)
正式の書面によるCom:契約書、覚書、プロジェクト文書など
略式の書面によるCom:メモ書き、Eメールなど
正式の口頭によるCom:(プロジェクト文書で規定)会議体、報道発表
略式の口頭によるCom:打合せ、ディスカッション、電話や対面での会話
<7.1:コミュニケーションマネジメントの計画(主なアウトプット)>
◎コミュニケーションマネジメント計画書
プロジェクトマネジメント計画書の構成要素となるドキュメント。
プロジェクトの状況確認会議、プロジェクト・チーム会議、電子会議、電子メールで使用するガイドラインやテンプレートなども含まれる。主にプロジュエクト内における伝達手法や伝達内容の報告ガイドラインなどを規定する。(例えば緊急時の際において下位メンバーでは解決できない課題発生に対し、上位メンバーへの”エスカレーション・プロセス”を決めておく、など)
7.2:コミュニケーションのマネジメント
プロジェクト情報の適時かつ適切な収集、生成、配布、保管、検索、マネジメント、監視、および最終的な破棄が確実に行われるようにするプロセス。
<7.2:コミュニケーションのマネジメント(主なアウトプット)>
◎プロジェクト伝達事項
プロジェクトを通して作成されたあらゆる伝達事項が含まれる。
Ex .パフォーマンス報告書、成果物の状況、スケジュールの状況、など。
7.3:コミュニケーションの監視
プロジェクトとステークホルダーの情報ニーズが確実に満たされるようにするプロセス。
チーム内における各コミュニケーションが正常に流通しているかどうか、またはステークホルダーへの伝達事項などにエラーはないかなどを監視する。
<7.3:コミュニケーションの監視(主なアウトプット)>
◎作業パフォーマンス情報
コミュニケーションの監視を実施した結果を作業パフォーマンス情報として取りまとめる。これは統合マネジメント”プロジェクト作業の監視・コントロール”プロセスで作業パフォーマンス報告書にまとめられた上で、コミュニケーションのマネジメントプロセスを介してステークホルダーへ伝達される。
◎変更要求
コミュニケーションの監視を実行したあとで調整するべき事柄が発生した場合にその変更要求は”統合変更管理”プロセスを通じて処理される。
”コミュニケーションマネジメント的”プレイヤー
コミュニケーションマネジメントという”チーム内外の意思疎通の仕組みを汲み上げる・促す”というポジション。野球の技術的な特性というよりは、外野という物理的に離れたところからでも、”ゲーム自体への自身の影響度”を持ち合わせているか?というポイントでイメージしてみた。
亀井義行(読売ジャイアンツ)
ライトのイメージが強いが外野手としての能力はもちろん”外野からの統率力”でチームをマネジメントしている点においてイメージにはぴったり。
青木宣親(東京ヤクルトスワローズ)
センターのイメージが強いかもしれないが、直近のヤクルトでの役割やメジャーリーグでも磨き抜かれた対応力は外野からの司令塔的な役割を担っており、チーム全体のコミュニケーション統率に一役買っていると言えるだろう。
次回は「#8:リスクマネジメント」
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