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2020年2月の記事一覧

流した男と、聴いた女と、繋いだ男の邂逅〜なぜ、槇原敬之が聴こえたのか〜

流した男と、聴いた女と、繋いだ男の邂逅〜なぜ、槇原敬之が聴こえたのか〜

新幹線のぞみ64号の4号車で槇原敬之を聴いてから、5日間が経った。

この話には、新幹線で槇原敬之を聴いた女・岸田と、新幹線で槇原敬之を流した男・泉山と、偶然流れてきたツイッターのタイムラインで二人を見つけて繋いだ男・岡田(岸田の相互フォロワーで、泉山と同じ会社の先輩)が登場する。

もう二度と会えないであろう奇跡の共演にセンチメンタルを感じていたら、普通に連絡が取れたので、普通に会ってみた。

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冬がはじまるよ〜Google Homeで、槇原敬之が聴こえたら〜

冬がはじまるよ〜Google Homeで、槇原敬之が聴こえたら〜

疲れていた。

泥のように疲れていた。

腰のあたりがじんじんと痛む。鐘をつくみたいな一定のリズムで、痛みの波が押しては返す。痛え。腰が痛え。痛すぎるだろ。

季節の変わり目はいつもこうだ。気温が大きく変化すると、決まったように腰が鈍い唸り声をあげる。身体の芯から鳴り響くそれは、ときおり神経を直接引っかくみたいな鋭い苦痛を伴いながら、淡い痺れとなってゆっくりと全身へと伝っていく。この世のものとは思

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