緊急事態宣言解除後の労務管理3選【人事担当者必見】

緊急事態宣言が解除され、緊急事態宣言中とは異なった視点での労務管理の課題が出てきました。その中で論点を3つにしぼり、検証していきます。


従業員が罹患を懸念して出勤拒否

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、新たな罹患者が出ているのも事実です。しかし、旧来から、医療業界は発展してきた事実と今後も発展することが予想される昨今の目覚ましい実績を鑑みると、近い将来新型コロナウイルスをインフルエンザと同視できるような将来がきてもおかしくないと考えます。そして、新型コロナウイルスへの罹患は「交通事故」と同じでリスクゼロにはならないということです。

よって、企業には安全配慮義務はあるものの、(在宅で対応できないような)業務の必要性があれば、期限を設けて、その間は在宅勤務で対応し、期限到来前に面談をし、その後の対応を検討する形になろうかと考えます。

しかし、基礎疾患を抱えており、他の労働者と画一的判断が馴染まない労働者もおられることがあるでしょう。その場合は、慎重な対応をすべきです。


テレワーク後のメンタルケア

特に長距離かつ満員電車が復活した従業員については、在宅時と比較して、起床時間や通勤時間に発生する身体的負荷が高くなったと言えるでしょう。また、感情コントロールに長けていない上司の元に戻る部下の場合、心身共に「服役」に戻るような感覚に苛まれることと考えます。

また、多くの在宅勤務明けの6月からは大企業に「パワハラ防止法」の施行がなされています。

すなわち、在宅勤務中に沈静化していた問題が再浮上することが予想できます。「人」はお金などの有形資産と異なり、必ずしも代替が効かない面も有しています。人事担当者の腕の見せ所と言える部分です。

ボーナス査定

今回は、適切な体制を構築する間もなくリモートが始まった会社も多いでしょう。そして、附随的に仕事の成果も従来と比較して満足のいく形ではなかった場合も多いと考えます。その場合、全てを従業員の帰責事由とするのはさすがに拡大解釈と言わざるを得ません。

しかし、経営悪化により原資が枯渇している場合は、やむを得ないでしょう。賞与は(就業規則の記載内容にもよりますが)残業代と異なり必ずしも支払いを義務付けているものではなく、労使自治により、決定し得る部分です。

しかし、雇用維持を無視して特定の労働者のみにプラス査定するような形はやむを得ず退職勧奨や解雇を選択する場合、将来的にビジネスリスクをはらんでいると言えます。

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