Hara_kyutaro

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私的デジタル教材開発史(5) KiTとPC9801

■1986年 CAI教材開発に着手 明治23年(1890年)創業の大日本図書は100周年を迎えるにあたり新規事業の開発を目的として企画開発室を1986年に開設した。開発室といっても編集部のフロアの片隅に机を3つ並べただけで、室長含めて3名で構成されていた。専用のコンピュータはなかった。  1986年はPC-VANが商用サービスを開始した年でもある。それ以前の無料サービスのときから加入していた私は、企画開発室配属を機に教育に関して情報交換をするシグ(SIG special in

    • 私的デジタル教材開発史(4) 牧野日本植物図鑑[PDF版]

      37mm✕55mmに描かれた美の世界37mm✕55mmに植物を描ききる、そして、一点々々すべてが美しい。 多くの方々にこの世界を共有していただきたい、そんな思いからフリーウェアの電子書籍化に取り組んだ。 牧野日本植物図鑑の概要 牧野日本植物図鑑は携帯性を重んじたA5判サイズの本である。そこに3206図とその解説文を、1ページに3点ずつ同じ大きさに収録してあり、本文だけで1,070ページに及ぶ。  植物図は精細に描かれている。解説文の長さは植物によって異なり長文は小さな活字を

      • 私的デジタル教材開発史(3)1989年情報基礎とFindOut、ハイパーキューブ

        (タイトル写真出典 福武書店(現ベネッセ)の第2回 find out 大賞。 / Asahi パソコン 1991.12.1 http://twitpic.com/dwdmm9) 1989年(平成元年)に告示された学習指導要領(1993年-平成5年4月実施) に初めてコンピュータが明記され、技術・家庭科に情報基礎領域が登場した。 1989年告示技術・家庭科 情報基礎領域 学習指導要領1 目標 コンピュータの操作等を通して、その役割と機能について理解させ、情報を適切に活用する

        • 私的デジタル教材開発史(2)苅宿実践と脳の鏡

          苅宿実践JAPETの一員として港区立神応小学校で苅宿俊文氏の授業を拝見したことがある。 「学校の授業とは、学習指導要領に定められた教科内容に基づいて行うもの」という意識からは、とても理解し難い授業でした。 「教育科学研究」第13号 1994年7月号で法政大学の坂本旬氏が「情報教育」と生活主義ーー「苅宿実践」は何をもたらしたかーーで苅宿実践が何かを報告されている。 ■1学期はビデオカメラとコンピュータを使った実践、2学期は「こだわり地図」という地域の地図をコンピュータでつく

        私的デジタル教材開発史(5) KiTとPC9801

          私的デジタル教材開発史(1)パソコン通信

          0.経緯 コンピュータの教育利用はCAIから始まり、30有余年を経てGIGAスクールへと変貌してきた。 筆者はこの変貌に、デジタル教材の開発と出版を行いながら併走してきた。 デジタル教材がどのように作られ発展してきたかを振り返ってみる。 1.CAIの始まり CAIとはなにか、日本大百科全書(ニッポニカ)では次のようにまとめてある。 ======== 学習者および教授者の活動を、コンピュータを中心とする機器によって効果的かつ効率的に進める、個別学習の考え方に基づく教育。そ

          私的デジタル教材開発史(1)パソコン通信

          鳳凰堂を描く 隅斗栱

          寺院の屋根・庇を支えるのが斗栱で、角を支えるのが「隅斗栱」で、平場を支えるのが「平斗栱」である。前回の「三手先」が平斗栱である。 今回は隅斗栱について書いてみよう。 鳳凰堂の隅斗栱の図と写真 鳳凰堂の隅斗栱の図である。隅斗栱は正面図と側面図は同じである。 平面図が仮にあったとしても、斗栱の重なり描かれるだけで、その構造を図からイメージするのは難しい。 三手先の平斗栱の見取り図は様々なサイトで紹介されているが、隅斗栱の見取り図は見当たらない。というか、斜めに交わる隅棟が数本

          鳳凰堂を描く 隅斗栱

          鳳凰堂を描く 三手先

          神社やお寺の軒を支える組物で、前方に突き出すための組物を出組という。 日本大百科全書(ニッポニカ)(https://kotobank.jp/word/%E7%B5%84%E7%89%A9-56045)には図とともに次のように記されている。 「前方にも斗を置く出三斗(でみつど)があり、さらに出三斗上に三斗を一段重ねて出組(でぐみ)とする。前方に斗が1個出たものを一手(ひとて)とよび、出組からさらに前方に一手分斗が出て三斗を受けるものを二手先(ふたてさき)という。また二手先に尾垂

          鳳凰堂を描く 三手先

          Blenderで鳳凰堂を描くー組物

          「組物は斗および肘木の両部材を組み合わせて持ち送りをつくり、上部からの荷重をささえる構造部材としての架構である。・・・ これらがお宮やお寺らしさを表現する特徴の一つとなっている」(『社寺建築の工法』佐藤日出男著 理工学社) 同書によると、大斗、小斗は「三つ斗六枝掛け」という割り方でつくられている。 前に紹介した「文化遺産オンライン」にある図版に(https://bunka.nii.ac.jp/suisensyo/kyoto/REFERENCE-5/reference5-4

          Blenderで鳳凰堂を描くー組物

          鳳凰堂 角斗栱

          「桁などの横架材の荷重を分散するために、柱と横架材の間に斗栱(ときょう)という部材を挟みます。」([軒を支える斗栱 | 株式会社徳岡伝統建築研究所](https://www.tokuoka-denken.co.jp/archives/405)) 改装前の写真では何がどう組み合わさっているのかすぐには理解できません。[平等院鳳凰堂 修理現場公開 1102: やっぱり富士!巡礼行記](http://fujizakura.cocolog-shizuoka.com/blog/201

          鳳凰堂 角斗栱

          平等院鳳凰堂 三面図を手に入れる

           特別保護建造物及国宝帖 第1 特別保護建造物 第1ー176図  いろいろと検索して、ようやく国会図書館のアーカイブから三面図を手にいれることができた。 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/849648 しかし、マイクロフィルムから書き出したPDFで、Blenderの三面図としては使えない。 https://www.trace-copy.com/qblog-20130215-1/ このBrogで引用している図面から、ho-o-do app

          平等院鳳凰堂 三面図を手に入れる

          Blenderで鳳凰堂を描く

          はじめの一歩noteの使い方が分からない。 記事の追加はどうすれば良いのだろう。 とにかく、書いてみよう。 記事の追加どうしたら目次を付けられるのか

          Blenderで鳳凰堂を描く

          3DCG SketchUpの時代

          3DCGは、1990年頃にShadeから始めたがなかなかうまく行かず、六角大王やメタセコイアでモデリングを少し学んで終わった。 2008年頃にグーグルスケッチアップに手を付けて、性にあったのかいきなり法隆寺金堂を作り始めた。1年間ほどかかって軸組までつくった。 そのあとは、ボールペンやサッカーボールなどの小物を書いて遊んでいた。 グーグルは2012年にスケッチアップから手を引いてしまったのを機にしばらく3DCGから離れていた。

          3DCG SketchUpの時代