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鳳凰堂を描く 隅斗栱

寺院の屋根・庇を支えるのが斗栱で、角を支えるのが「隅斗栱」で、平場を支えるのが「平斗栱」である。前回の「三手先」が平斗栱である。
今回は隅斗栱について書いてみよう。

鳳凰堂の隅斗栱の図と写真

隅斗_

鳳凰堂の隅斗栱の図である。隅斗栱は正面図と側面図は同じである。
平面図が仮にあったとしても、斗栱の重なり描かれるだけで、その構造を図からイメージするのは難しい。
三手先の平斗栱の見取り図は様々なサイトで紹介されているが、隅斗栱の見取り図は見当たらない。というか、斜めに交わる隅棟が数本あって、見取り図を描くこと自体、何が何やらわからなくなるのではないだろうか。
幸い、写真が一葉見つかった。

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写真と図を長い間眺めたがその構造がさっぱりわからなかった。
これも三手先であり、一手目が斜めの肘木でできている。
二手目は隅棟が乗っかっていて、三手目に「丸桁(まるぎょう)」が交差して乗っている。・・・ここまで理解するのにとても時間がかかった。

隅棟をBlenderで描く困難

隅斗栱の構造が分かるまでとても苦労したが、その後に控えていたのが隅棟である。
入母屋の角(45度)を形づくる隅棟は、3面図から長さを割り出すには高校数学をそっくり学校に置いてきた身ではなかなかに難しい。イラストレーターで作図してみたが、Blender上で配置する・・・平面図上に描いた柱を正面図で屋根の傾斜に傾けることはできなかった。
BlenderにはKnife Projectという機能がある。
正面図上に柱描き、それを45度の壁に投影することにより3Dの柱の図を得る。余白を消去したあと、柱の図に厚みを持たせれば隅棟ができあがる。

スクリーンショット (29)

スクリーンショット (30)

スクリーンショット (31)

スクリーンショット (32)

多くの斗と栱の組み合わせを判別するのも大変だけど、桁を組み合わせていけばなんとか組み合わせることができた。

隅棟図


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