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【毎日読書感想⑱】本読む馬鹿が、私は好きよ

タイトルに一目ぼれして購入した本です。

広告コピーの傑作選ということで、主に80年代~90年代中盤の広告のキャッチコピーが紹介されています。

広告全体が掲載されているものもありますが、ほとんどがキャッチコピーだけが取り上げられています。言葉の力がガツンと伝わってくる一冊です。

広く浸透していたり、印象に残る広告は、その時代の空気感を吸い上げているものが多いと思います。実際には見ていない広告でも、当時の懐かしさや雰囲気を感じることができて、言葉はいろんなものを吸収する力があるんだなとしみじみ実感します。

さて、私が好きなコピーはタイトルにもなっているこのコピーです。

本読む馬鹿が、
私は好きよ(P.12)

88年のPARCOのポスターのキャッチコピーで、コピーライターは糸井重里さんです。

なんでこのコピーが好きなのかと自分なりに考えてみたのですが、肯定する言葉と否定する言葉、相反する言葉が交互に出てきてそれぞれの言葉の意味をより際立たせているのかなと感じました。

本読む(肯定的、知的)、馬鹿(否定的、知性のない)、私は好きよ(肯定的)

馬鹿といわれるとカチンとくるけど、「私は好きよ」と認められると悪い気はしない不思議な言葉です。

実際の広告はPARCOの企業広告のようで、ポスターにはセクシーな水着の外国人女性、このコピーにPARCOの文字だけ、というシンプルなつくりです。

最近いろんな制約があるのかCMにもポスターにも誰も読めないような小さな文字で注釈がたくさんついていますが、そんなものは一切ない、潔い素敵な広告だなと思います。



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