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【毎日読書感想⑪】幸せになる勇気

「嫌われる勇気」の続編を読んでみました。

哲人と青年が出会い、議論を交わして3年後、また人生の壁にぶち当たり悩みを抱えた青年が哲人を訪ねます。青年は自分の人生を生きるべく夢だった教師になり、アドラー心理学を実践しますが、うまくいきません。

アドラー心理学を実践しているはずなのに、うまくいかない......。アドラー心理学を捨てるために、意を決して再度哲人と対話を行います。そして、今度は「自立」や「愛」というテーマについて学んでいきます。

確かに本を1冊読んだだけで、人生の見方が簡単に変わるはずもないので、読者にも青年と同じように現実生活でうまく応用できない人もきっといるのではないかと思います。

私も、よりアドラー心理学について理解を深めるために、そして少しでも体にしみこませるために、今回読んでみようと思いました。

さて、私が印象に残ったのは以下の部分です。

自分の人生は、日々の行いは、すべて自分で決定するものなのだと教えること。そして決めるにあたって必要な材料ーたとえば知識や経験ーがあれば、それを提供していくこと。それが教育者のあるべき姿なのです。(P.123)

子どもが友達と遊びにいくことに対して、親が許可したり、条件を付けたり、禁止したりする場合がありますが、これはいずれも子どもを「依存」と「無責任」の地位におくと、本書の中で哲人は断言します。

青年が、子どもにそれだけの判断力があるのか疑問を投げかけると哲人はこう答えます。

そこを疑うあなたは、まだ生徒たちへの尊敬が足りていません。ほんとうに尊敬できていれば、すべて自分で決めさせられるはずです。(P.124)

子どもであっても他者の課題に介入しない「課題の分離」を行い、子どもの決断を尊重し、その決断を援助するー。そのことが、子どもにとって「自分の人生は自分で選ぶことができる」という大切な学びになると、哲人は説いています。

「嫌われる勇気」で学んだ「課題の分離」の先に、子どもにとっての大切な学びがあることを改めて心に留めました。

また、哲人は教育の入り口はまず子どもを尊敬することから始まるとも語っています。まずは子どもは親がコントロールすべき対象ではないということを、一人の対等な他者であることを忘れないようしようと強く感じました。


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