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葛飾北斎の絵をかわいい…!って思った心をよく考えてみた

これは、葛飾北斎の絵をみて「かわいい…!」と癒された自分に驚いている私が、その心の動きを(せめてもう少し語彙力を発揮して)考えるnoteです。

めずらしく旅行に行ったら、訪れた美術館で葛飾北斎の絵の展示があっておりまして。
30分だけ時間があったので、小走りで堪能しました。*1

私は絵画の知識は教科書程度ですが、というのか、だからこそというのか、きっと両方なのだけれど、美術館に行くのがすきです。
数ヵ月に一回ふらっと気が向いたものを拝見しにゆくのだけど。


今回の葛飾北斎さんについては、あの波が雄大な有名な絵!

あんなふうに波を描ける彼は動体視力が強いんだ(波が止まって見えたんでしょうとのこと)とか、はじめてリアルの波を描かれた波と一致させることができただとか、
ちょっと気になる情報を日々の生活で得ていて、
今思えばちょくちょく私の脳のどこかに登場していたのかもなあ。

いつもだったら浮世絵とかあんまり見ない気がするけど

その日はとにかく美術館に入って展示に気付いたとたん、絶対入るぞという気持ちで友達と別行動させてもらってはいったのであります。

だから、葛飾北斎って浮世絵なんだけど正確な描写、もはや感じるものではなくて研究対象なんだろうな…ぐらいの気持ちだった。「かわいい」なんて日本とブラジル。深海魚とラクダ。みたいな。

一瞬で「…かわっっっっ…!かわいい…!」ってなったのは展示の中盤あたりの摺絵(すりえ)。
サイズも小さいものは名刺サイズぐらいに思えました。

摺絵って多色刷りの版画みたいな感じ。*2
女性が描かれてて、着物の柄が布地とは別の色のおはなだったり、四角い模様だったり、
何人か女性がいたらみんな違う着物でそれぞれ模様がかわいい!
こまごまと細部まで!これは版画?!彫ってあるの?!
着物の布の動きに模様の向きも対応しとる!
この細かさはミニチュアのおもちゃの可愛さと通じるものがあった。

さらには特殊な技法で色は入っていないけど、なにかの模様や絵柄が凹みで表現されていたり、

圧倒的なこだわりの世界だった。

全体を通して
躍動感溢れる絵がたくさんあって(墨でかいた挿絵とか!)オーラに圧倒されるけど、それを支えているのはとても精密で几帳面な特性なのかもしれないな。

細部まで一ミリのずれもなく描くというような、
神経の張り巡らされた感じ。

そこまでの集中と注力は愛って感じがした。
きっと綿密に作画設計はおこなうのかもしれないけど、でも自然と得意で無心でおこなうこと。
そこには時間は流れてなくて、ひたすらに生命の力が絵に加えられて、もはや魂の表現みたいな。

それって、わたしにとっては愛の存在という感じで、

その愛を見出だせて、「かわいい」と感じたんだろうなと思います。思いますというより、それの端的な表現が私にとっては「かわいい」だったんだろうな。

とにかく嬉しかったです。見ることができて、
癒されて、かわいいとうきうきして嬉しくなって、
自分にこんな考えがあって、なにかを見て感じることが出来るんだなぁと気づけたことが嬉しいです。

きっと時間を越えた、時間がながれないような「今」の瞬間に
生き物はなにか愛を感じるんじゃないかなぁ

そういえばこんなふうに、存在としての愛について私はずっと考えているような気がします。

ちなみに!
美術館には北斎さんのあの波の絵が巨大パネルになっていて、だれでも笠を被って写真がとれるようになってました!すてきだな!!!

聞いてくださってありがとうございます。

それではまた、ちかいうちに!

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*1 インフォメーションのお姉さんによると200点ほど展示されているそうで、所要時間は60分以上程でしょうか…とのことでした。とても親切でしたお姉さんありがとうございました。

*2 あとからざっとネット調べた程度の知識なので、まちがったり変な表現があったらごめんなさい。
これを書き終わったらゆっくり資料とかを読み直してみます、たのしみ!

ハピネス!