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子育てとかけて、老舗料亭の味、と解く。その心は?

「足しすぎないのが肝心。」

大学生の頃、京都の老舗割烹料亭でアルバイトをしていました。
(正確には料亭の2階にあるカフェスタッフ)

社長さんが常連でいらっしゃるような高級店。

そこで私は1杯1,000円のコーヒーを
時給850円で運んだりしていたわけです(笑)

でもバイトとしては
とてもよくして頂いていまして
たまーに
お料理の一部をいただける機会がありました。

私の実家はごく普通のサラリーマン家庭。
しかも、ただの学生なので、
そんな高級料亭の味は初めて

そんな私が初めて
そこのお料理をいただいた時の衝撃は今でも忘れらません。

お野菜と鶏の煮物のようなお料理だったんですが、

あまりにも上品な味わいに
煮物の概念が覆りました。

ホンモノの料理、ってこういうことかあ。と思いました。

調味料の味がしない
かといって、
素材そのものでもない

最小限の足し算が、そこにありました。
素材の良さが最大限に生かされていたんです。


お母さんの料理も美味しいけど、
プロの料理は別物、と。
お母さんの煮物は、醤油とみりんの味ですもんね。
いや、それはそれで美味しいんですけど
別の料理だな、と。

一つのお椀に盛られたお料理であっても
それを構成する素材ひとつひとつに、
それぞれの良さを最大にする丁寧な下拵えがされていて
加えられている調味料は最小限。

調理場も見ていたから分かりますが
手間、は、かかってます。
ものすごく丁寧に手間をかけて
(目にも止まらぬ手際の良さではありましたが)
足しすぎない、絶妙な加工をしている
そんな印象でした。

もちろん高級料亭ですから、大前提として、
素材が高級である
ということがあります。
(余談ですが、あとは、器ですね。美術品のような器を使っていました。)

そんな諸々含めて、
これが老舗料亭の和食の味かあ、、
としみじみと思った経験でした。

さて、それが冒頭の話です。
足しすぎないのが肝心。

では、「子育て」ってなに?


実は今日の記事の内容は、
この本を読んで浮かんだものです。

タイトルの通り、子育てコーチングについての本。
子育てコーチングに興味のある方にはぜひオススメしたい一冊です。

私自身、コーチングを学んでいます。

コーチングとは、
相手の中にある強みや能力
本当の望みを言語化して
引き出すコミュニケーションの手法
です。


この本は、親子の関わりを、コーチの目で観察した記録、
コーチの目線での子育て日記のような感じです。
ご自身の子育ての体験、
実際のエピソードの一つ一つを
コーチの目を通してそのまま書き記された、そんな本。

コーチングの専門的なスキルやノウハウも書かれていて
それも大変勉強になる本でした。

私がこの本から最も強く感じたことは

「子どもにはそんなに足さなくてもいい」

ということ。

子どもは自分の中に答えを持っている。

終始こういう視点で語られているのが
印象深い一冊でした。

そしてそれはその通りだなあ。と思います。

老舗料亭の高級食材の中にも
アワビがあり、松茸があり、鯛があって
その味をいかに引き出すか、調理方法はさまざまです。

手っ取り早く
ダバダバと醤油をかけて味付けしてしまっては
それぞれの良さが失われてしまいます。

子育ても同じで
足しすぎない絶妙の手助けをして、
子供の良さを最大限に引き出す。
それが子育ての最重要ミッションなんだな、と思いました。

それが、私の中で老舗料亭の味と重なったんです。

何もしないで素材そのもの、、
というわけにもいかない。
でも、味付けをしすぎたら本来の良さを失う。

手間をかけて、
子どもの持っているものを
最大限に生かす方法を常に考える。

そうすれば、子どもは自分の力で成長します。

だからと言って、何もしないで放っておいてはいけない。
だからと言って、あれこれ教え込もうとしたって、上手くいかない。

その子の内に秘めているものをいかに引き出すか、
その絶妙なコミュニケーション。
親に求められているのはきっとそういうことなんですよね。

それを実現するひとつの方法が、
コーチング的なコミュニケーション法。

というわけで、

「子育てとかけて、老舗料亭の味、と解く。その心は?」

「足しすぎないのが肝心」


つい口うるさくあれこれ言ってしまう自分へ自戒を込めて。

子供の良さを絶妙に最大限に引き出せる親を目指して
コーチングの学びに邁進しながら
日々精進したいと思います。


では、今日の幸せに感謝して。

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