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とってもさみしい

新しい会社、楽しそうな仕事、順調な退職交渉、引越し先の内見。8月からの転職に向けて、いろんなことが動き出している。

内定が出て、自分で探しても絶対に出会えなかった、自分にかなり合っていると思われる職種と巡り合えた。退職交渉もスムーズに進んで、有給もすべて消化できる。

明日は引越し先候補の内見。極めて順調、すごく順調だ。

順調なんだけれど、なんだか心に違和感がある。

その正体が分からなくて、会社からの帰り道、すごくゆっくり歩いて、その正体について考えた。

嫌な予感でもないし、むしろ、これからの未来が楽しみまである。

でもなんか、なんか、心の中につっかえがある。なんだこれ。

いつもの5倍ぐらい超ゆっくり歩きながら考えてたら、フッとその正体が分かった。

京都を離れるのがさみしいんだ。

明日、東京の家を内見して、候補の中から契約するつもりだ。契約するということは、それはもう、京都を離れる決意とも取れる。

それがさみしいんだ。

この2年半、京都という街は、未熟な僕を、それはもう、大きな手でやさ〜しく包み込んでくれた。

担当プロジェクトがうまくいかなくて悔しかった時、母親が死んで、途方もなく悲しんでいた時。たくさん救われて、大好きになった。

ある日は鴨川でキャンプ用の椅子に座りながら読書をしたり、芝生に寝そべってお昼寝したりもした。

初めてできた自分のチームメンバーの1on1を、近くにあるお寺でしたこともあったっけ。

夏が近づいてくると、京都は祇園祭に向けてどんどん元気になっていく。そのワクワク感が大好きで、僕は、地獄と言われている京都の夏が好きだ。

去年は祇園祭のゴミ拾いボランティアにも参加した。

明日、東京の物件を契約するということは、そんな京都を離れることが確定するということ。

それがさみしくてさみしくて、不思議な違和感の正体だった。

でもなんか、また戻ってくる気がするんだよな。

2年半前に越してきた時は、すごく未熟だったけれど、今度はもっと強くなって、もっと立派な大人になって。

だからもう、さみしくない。また、この大好きな京都に戻ってくるために、東京で立派な大人になってきます。

人生の、大きな目標ができました。

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