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SAPIXの先生は冷たいのか

2021年度の首都圏中学入試は、例年通り、SAPIXが難関校の合格人数では圧勝だった。あと何年この状態が続くのだろうか。少なくとも、他の塾がSAPIXからおこぼれ(具体的に説明するのは避けるが)をもらうような状態では当分SAPIX1強だろう。

私は、SAPIXと縁もゆかりもないのだが、学校教員をしている今では、SAPIXの社会科の先生とどっちが良い授業ができるかと密かに張り合ってみたく思っている。彼らの授業は子どもの心に響く素敵な授業なのだろう。

教材研究や最新の入試動向を研究する暇があるのかないのかわからないのだが、どのように時間を捻出して授業のクオリティを上げる努力をしているのか気になるところである。

さて、本題に入るが、他の学習塾は、SAPIXのサポートが手厚くないことを売り文句として、自塾に引き込もうとする。一言で言えば、SAPIXにない(であろう)手厚いサポートをあれこれ提示して、保護者の心を揺さぶるのである。自塾の生徒をかわいがるふりをしながら他塾の生徒に尻尾を振る塾講師があるべき姿なのかは目を背けるとして、疑問に残るのは、本当にSAPIXのサポートが手厚くないのかどうかという真偽である。

私はこの疑問について、一つの手がかりを得た。それは、応援先の学校でSAPIXの先生と隣り合ったことである。2月4日あたりで、その人は非常にそわそわしていた。察するに、子どもの不合格がかさみ、親子ともにメンタルがボロボロの時期だったのだろう。ものすごくそわそわしていた。そして、お目当ての親子が来たら何分もずっと熱い思いを語りかけていた。

勤務先で散々、馬鹿の一つ覚えのように「SAPIXは放任だ」と言っていた同僚講師たちの言葉とは真逆の姿を見た。

同僚講師の見立てなんか鵜呑みにしていなかったものの、やはり塾講師は生徒のことが気になるものだと、安心した。

SAPIXの全講師が、その人のような熱い思いを持っているかはわからない。しかし、SAPIXの講師とて人間で、そこには人情味だってあるのだ。

SAPIXの指導に対するご不満を持つ人たちや、仮想敵として目の敵にする同業の人たちもいるかもしれない。氷山の一角をたまたま見ることができたのかもしれないが、結局我々が携わっているのは教育である。ビジネスライクに割り切れるものではないと、再確認した。

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