中学受験の落とし穴。小学校低学年から高学年にかけて成績が落ちる子の特徴。

自分でペースを設定するな。

これに尽きる。はい、おしまい。以下駄文。

某大手塾のSは、いくつかの校舎で低学年の定員が一杯になったらしい。定員が一杯とはいえ、授業料も受験生と違うし、講師の人材も確保しなければならない。意外と思う方もいらっしゃるかもしれないが、低学年の指導が苦手だという講師は多く存在し、例えば学生のアルバイトだとどう接したらよいかわからずにしどろもどろとなって、子どもの心を掴む事は難しい。また、保護者対応も具体的な志望校を出しながら子どもの出来を語るには時期尚早で、進路指導とはまた違う対応が必要となる。そして、保護者の方々の意識も高いので、実は塾講師よりも中学受験事情の知識がある場合も。

だから、大手塾としては低学年の指導は収益があるとはいえ、運用が難しい面があって、定員を少なくしている所はある。先述の通り低学年のうちは授業料もがっぽり取れないので、どちらかといえば自塾で優秀な生徒を囲い込んでおくための運用である。

本題に入るが、低学年のうちから塾に通うことが、難関校と呼ばれる(サピックスオープンの偏差値50以上とでも定義しておく)中学校に合格するための条件かといえば違う。なんなら、6年間通って全敗する子だっている。

では、どうすれば低学年から通って成績を高く維持できるのか。これは、端的に言えば冒頭に述べたように、「ペースを自分で決めない」ことである。表現を変えれば、「マイペース」にならないことである。

受験においては、中高生の一部しか、マイペース調整では上手くいかない。自分でペースを決めることで、小6の2月1日までに身につけておかなければならない知識が身につかないケースが非常に多い。

ありがちな失敗として、保護者が我が子が机に向かっている様子を見て安心して本人に勉強を任せてしまうことが挙がる。10分で算数の一行問題を1問解く程度のスピードがちょうどよいとしても、その様子が塾まで伝わらなければ、手の打ちようがない。塾側も、具体的に家庭学習の質まで口を出さないと、手遅れになってしまう。こういう子の場合は、10分で3問4問解けるような努力・取り組みをする必要があるし、そこは大人が管理しないと、高学年になったときに模試で大きな差として出てくる。

低学年のうちは、まだ内容が易しくて科目数も少ないので、差が見えない。これが高学年になって本格的な受験勉強に入ると、ついてこれるだけの粘り強さがつかない。そしてマイペース調整に終始してしまう。だから「低学年のうちは上位のクラスにいたが、高学年になると最下位クラスが定位置」の子が出てきてしまう。

低学年から受験の最後まで上位のクラスに在籍する子は、やはり親の管理が良い子が多い気はする。これは、スケジュールの管理というよりは、繰り返しになるがペースの管理である。小6の2月1日に間に合わせるために何をしなければならないか、現段階で何ができていなければならないか、できないことはいつまでにできるようにすればよいのかを把握している(そして講師に質問できる)家庭で暮らす生徒ほど強い印象がある。

そのためには、行きたい学校やその学校の過去問をなんとなくでもいいから見ておくことも早いうちから必要だろう。「過去問は小6の2学期から・・・」という塾もわりとあると思うが、私はこれにはある程度異を唱えたい。これについてはまた別の機会に。

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