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ARを取り巻く世界とその未来についてのワクワクする妄想

こんにちは、こんばんは、それとも、おはようございます。

きょうわくで主にバックエンドを担当している、すぎもとです。前回のやまもと氏によるARに関する熱いメッセージに感銘を受け、私もこのように筆を執ることにしました。(以下、やまもと氏による記事です)

この内容は100%個人の考えであり、戯言であるかもしれませんが、ARにワクワクし、夢を見ているバカな男の妄想劇に、ぜひお付き合いいいただけたら幸いです。

AR・VR・MR、それぞれの"いま"に思うこと

壮大な副題になっていますが、そのままの意味で思うことを述べようと思います。まず、昨今はAR・VR・MRに関して、ハードウェアの開発およびアプリ開発が盛んに行われていることはご承知のことかと思います。

まず、ハードウェアです。ARのハードウェアはもっぱらスマホでしょう。スマホアプリとしてARに対応しているものはざっくりと、ゲーム or EC or その他、だと思っています。あえて「その他」としたのは、これに当たるものはARであることそれ自体に価値があり、ARによってコンテンツの魅力を引き出しているわけではないものをひとまとめにしました。エンジニアとしてはARであること自体にもワクワクするのですが、この手のアプリは一度触って、「あー、へー、こんなのあるんだー」でアンインストールされるものではないでしょうか?私はアンインストールしました。

次に、ECです。IKEAのような家具販売に関して言えば、実際に置いたときのイメージを掴むことができるので、もともとのコンテンツをARによって強化している素晴らしい例だと思います。

これについて言えば、Amazonの商品でもARで見ることができるものもあり、広がりを見せているのかなぁと思っています。しかし、こちらに関して言えば、新製品が出ればそれだけ新しい3Dモデルが必要で、それはなかなか手間です。IKEAのような自社製品であればCADデータの再利用でOKだとは思いますが、AmazonのようなECサイトの場合は商品を作っている側から提供を受けなければなりません。この拡張性に関するちょっとしたハードルの高さもそうなのですが、この仕組みにおいてはARで商品を見ることでその価値は完結しているように思います。つまり、現状でほぼ完成品なのではないでしょうか?


次にゲームです。これがいまは一番アツイと思っています。ただ、ARでゲームをすることとVRまたはMRでゲームをすること、この間には大きな隔たりがあると思っています。

いま、VRは比較的安価に手を出すことができます。ハコにスマホをはめ込むだけで簡易VRというものもありますし、SonyのPSVRというものもあります。

このようなVR体験に置いて重要なのは、「ハードウェアの追加購入」です。つまりはゲームがやりたいという意志のもと、ユーザーはハードウェアを購入します。この場合、ユーザーは比較的「ゲーマー」と呼ばれる方であり、さらにはVRゲームコンテンツはこのようなゲーマーを引きつけるようなリッチなものである必要があります。市場としては素晴らしいですが、あくまでゲーマー向け市場です。一般の非ゲーマーにとっては手を出す理由は無いのではないでしょうか。

では、MRはどうでしょうか?これは未知数です。現在、MRデバイスを開発している会社は大手からベンチャーまでさまざまですが、一例としてMicrosoftのHoloLens2を上げてみましょう。

HoloLens2は素晴らしいデバイスだと思います。ARらしい現実空間との融合もできれば、VRらしい没入感も得られます。しかし、こちらも問題は同じです。「ハードウェアの追加購入」が必要なのです。したがって、”現時点の” MRデバイスはやはりプロフェッショナル向けな機器であることは否定できません。


では最後に、ARはどうでしょうか?ARのゲームはいくつかリリースされています。Apple Storeで簡単に試すことができるので色々触ってみました。例えば、AR空間でちょっとしたレゴブロックのようなものが作れる、パズルゲームができるなどが多いですね。あとはやはり有名なのはPokemonGoですね。

PokemonGoについては、少し面白いARの使われ方をしているなぁと一目を置いています。ARでゲームをすることというよりも、ARで大好きなキャラクターと一緒に写真を撮ったり、お気に入りの風景をバックにポケモンを撮影したりと、カメラ撮影にフォーカスされています。

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(※上の画像、公式サイトからお借りしましたが、不適切なら消しますのでご指摘ください)


カメラ撮影といえば、ARアプリでエフェクトを掛けて、人の体を光らせたり金属光沢をもたせたりといったアプリもありますね。これはARアプリのいい例だと思います。ARであることが重要で、かつスマホであることとも親和性が高いように思います。


スマホでARを使う場合、避けては通れないことがあります。スマホを目の前に掲げる必要があります。一度やってみてください。そして5分間耐えてください。疲れませんか?そう、ARアプリをスマホで実現する場合、避けては通れないこととして、短時間で目的を達成できることがあると思っています。その点から見ても、カメラ撮影というのは素晴らしい切り口だと思います。


ここまで書いてみて、改めて思うことがあります。

スマホでARを行うことに関して、まだブレイクスルーが起きていないということです。

ARのアプリを一般コンシューマーが毎日触るようなものにしたいと仮定します。どのように実現するのが良いでしょうか?これを考える上で、以下のポイントは抑える必要があると思っています。

① ARであることそれ自体に価値があり、人はこぞってARを体験しようとする
② ARであることによってコンテンツの魅力がグッと増し、人はそれを使おうとする
③ 魅力的なコンテンツであるが、ARでしか動かないので、人はそれを使う

とりあえず3パターン挙げてみました。さて、どれがよいでしょう?

3つ目は少しさみしいですね。でもこれってPokemonGoなんです。PokemonGoでポケモンを捕まえるとき、「ガチで捕りたいとき」ARでやりますか?やらないですよね?難易度上がりますもんね。そう、やらないんです。だから、ARをOFFにできるんです。ARアプリではなく、ARもできるアプリになっているんです。でもNianticは素晴らしくて、”近づく”という機能を付けています。近づくことでゲーム性が変わります。コレ自体は面白い。ただ、ガチで欲しいポケモンは、ARモードでは捕まえません。難しいからです。さらに言えば、ARゲームをやっている人って、周りから見たら「変な動きをしているヤバそうな人」です。これも大きな問題だと思っています。

1つ目はIKEAがいい例ですね。ARであることで具体的にもののイメージが湧きます。人は具体的なイメージを描きたいので、それを使います。「あれ?IKEAは2つ目でもいいのでは?」と思いましたか? 私の考えでは2つ目ではないのです。ARであることによってコンテンツの魅力が増しているかどうか、これがミソです。IKEAの家具に対する魅力はARでアップしますか?しませんよね。「買おうかな→置けるかな→よし買おう」そういうものなのです。ARで見たことによって、「うわ!!この家具とってもいい!!」となる仕組みは残念ながらないですよね。私如きが口をだすのもどうかとは思いますが、例えばこの家具に対して「アクション」を足し算できれば、IKEAのアプリは2つ目になれると思います。具体的に言えば、食器棚がほしい。ARで棚をおいた。この次です。「棚の扉を開けて、周囲の家具に干渉しないだろうか?」「引き出しを目一杯出したらどれくらいになるんだろう?」もしこれがIKEAアプリで体験できれば、それはもはやショールームに行ったようなもの。ARであることによって、商品の魅力の伝わり方がグッと変わっているのではないでしょうか。きっともっと良いアプローチが他にもあることでしょう。私にはまだそのアイディアはありません。

前置きが長くなりましたが、「スマホでARを行うことに関してブレイクスルーを起こすもの」がまだこの世の中には出ていないんじゃないかと思っています。ここまで来ると、ブレイクスルーをどうやって起こすか、まで書きたくなってきました。書いちゃおうと思います。

ARでブレイクスルーを起こすには?

これはスマホではないと思っています。正しくは、スマホで実現するにはあと数年内にそういったコンテンツ開発が必要です。その後にはデバイスによるブレイクスルーが待っていると思っています。具体的に一番期待しているのは Google グラスです。彼はなにかやってくれるのではないかと思っています。これだって、ハードウェアの追加購入じゃん!と反論もできます。ただ、私が期待するのはスマホの置き換えであり、追加購入ではないのです。

先程もちらっと書きましたが、ARはヘビーなコンテンツである必要はないと思っています。Google グラスに期待することは「ARでちょっとしたことができる」です。買い物リストが見れるとか、そんなもので良いのです。スマホのARで買い物リストが見れたって、なんだそれ?と思いますよね。でも、グラスだとどうでしょうか?仕事終わりで早く買い物を済ませないといけない主婦が、右手に買い物かご、左手に子どもの手を引き、夕飯の買い物をします。このとき、スマホを出しているのが現代です。人によってはまだメモ用紙ですね。私、こう見えてアナログ大好きなので、メモ用紙はマジ最強だと思います。ですが一旦デジタルに限って言えば、両手が塞がらないグラス型デバイスはこのようなシチュエーションで大活躍です。こういうシチュエーション、他にもいっぱいあると思います。

グラスとスマホの決定的な違いは

ポケット(かばん)→ 取り出す → アプリを起動する → 見る

という、めんどくさーい操作フローです。このめんどくさ〜いフローをこなすだけの魅力が、最後の「ARで見る」に詰まっている必要があります。かなり難しくないですか?これが私が「スマホでのブレイクスルーがかなり難しい」と思っている理由です。一方、グラスだとどうでしょうか?

コンテンツを出すためのなにかの命令 → 見る

圧倒的に早いですよね。これです。私がグラスに期待する理由は。はやくGoogleグラスを手にとってみたいものです。

いま、もう一つキーワードが出ました。

「コンテンツを出すためのなにかの命令」

ここがGoogleグラスの課題だと私は思います。今の技術で考えてみましょう。グラスというデバイスに対するユーザーからのインプットをどう受け取るかです。声・まばたき・目の動き・手のジェスチャ・専用入力デバイス こんなところでしょうか?

声 → あなたは駅やスーパーでHeySiriしたことがありますか?私はありません。

まばたき → 誤作動の嵐でしょう。私はウィンクが苦手です。

目の動き → 私は目が小さいです。大丈夫ですか?

手のジェスチャ → 周囲から見てキモくないならいいのですが・・・

専用入力デバイス → これではないでしょうか!!!

Googleグラスが出て、スマホに取って代わろうとしていくのであれば、いまのスマホのもつ入力精度とスピードを実現する必要があると思っています。人がスマホでやることって、SNSか調べ物かコンテンツ視聴のどれかじゃないでしょうか?どれをするにも、入力操作がいりますよね。いまのスマホの入力精度とスピード感に匹敵するようなGoogleグラス向けの入力デバイス、だれか一緒に作りませんか?(笑)

長々と語ってしまいすいません。つまり何が言いたかったんでしょうね。まとめてみます。

① AR・VR・MRとあるが、一般向けはARだと思っている。VR・MRはプロフェッショナル向けに一定の市場を確立するでしょう。
② ARをスマホでブレイクスルーするのはとても難しいと思っている
③ ARはGoogleグラスでブレイクスルーが起こるのではないか?そのときには専用入力デバイスが必要なのではないか。
④ だれか一緒に作りませんか?

お付き合いいいただきありがとうございました。


きょうわく / すぎもと

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