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教材の質を上げるための「ディレクション」のトレーニング

先日「教材を教材たらしめる要素って?」という記事の中で

こんなことをお伝えしました。

資料と教材の違い、私はこのように考えています。
「教材にはディレクションがある!」
(資料には必ずしもない)

教材における「ディレクション」(指示)とは、例えばこういうものです。

「この文章を読みましょう」

「この内容を暗記しましょう」

「この事例についてディスカッションしましょう」

「この問いについて考えたことを記入しましょう」

「この手順に沿ってやってみましょう」

「この事例集を参考にしましょう」

私はこのような「指示」があって、教材が教材になり得ると考えています。

これらディレクションの目的は、「受講生に然るべき行動を促すこと」です。

ですが、「然るべき行動を促すためのディレクション」って、意外と難しかったりします。

ただディレクションすれば良いというわけではなく、「的確なディレクション」を行う必要があります。

そこで今日は「教材の質を上げるためのディレクションのトレーニング方法」を紹介したいと思います。

とても地味でマニアックな方法ですが、講座や研修を提供されている方は、常日頃からこのような目線を持つことで「教育サービス脳」が鍛えられますので、ぜひやってみてください!


教材の質を上げるための「ディレクション」のトレーニング

突然ですが、下の写真を見てください。

先日私が立ち寄ったカフェのテーブルに置かれていた案内サインです。

限られた飲食スペースを効率よく使うために考えられた案内だと思います。

お客様が不快な想いをされないように… と、とても丁寧で控えめな表現でお店側の「お願い(指示)」を伝えようとしているところに、温かくて優しい心遣いが感じられます。

「お願い」という形をとっていますが、これも1つの「ディレクション」です。

ここではこの案内サインを題材に、以下のことを考えてみましょう。

1)わかりやすいか?

2)指示された行動をすぐに取れそうか?

3)(これが教材内の指示だったら)他にどんな表現ができそうか?

実はこれらの問いに答えることが、「教材の質を上げるための効果的なトレーニング」になります。

私は職業柄、このような「~してください」というサインを見ると、無意識でやってしまいます^^


上の3つの問いを通して、皆さんはどんなことを感じ(考え)ましたか?

私の場合はこうでした。

1)案内はわかりやすい?

→わかりにくい! 文章が長いのと、丁寧語が理解を妨げるように感じる。

2)指示された行動をすぐに取れた?

→すぐには行動できなかった。意味を理解してレジに向かうまでに一瞬の「間」があった。

3)他にどんな表現ができそう?

→色々考えられるけれど…(以下、ブレスト)

A:「ご着席前に 注文をお願いします」

(このサインを見ている人は今まさに着席しようとしているから、「ご着席前に」を強調)

B:「先に注文してから ご着席ください」

(シンプルに手順・順番を示す)

C:「注文された方から順に お席をご案内します」

(これはまどろっこしい表現かな…ボツ!)

D:「先にご注文ください!」

(一番大切な情報だけを示す)

E:「Step①ご注文 → Step②ご着席」

(アイコンやイラストで示す)


と、こんな感じでブレストしてみました^^

もちろん正解はありません。

ですが、「わかりやすい指示」に共通する要素はあります。

受講生をスムーズに学習に誘うために

教材内のディレクションは…

  • できるだけ少ない文字数で端的に!

  • できるだけ具体的に!

  • 誤解(別の解釈の余地)がないように!

かつ

  • 丁寧語/尊敬語/謙譲語は使わなくてOK

  • 語尾は「~してください」「~しよう」「〜しましょう」が◎

  • アイキャッチを上手に使う(アイコンやキーワードなど)

が鉄則です。


先ほどのカフェの案内サインであれば、例えばこんな感じでしょうか。

いかがでしょう?

このほうが「自分は何をするべきか?」が明確で、すぐに行動に移せる気がしませんか?^^


この例では、元の案内にはなかった「レジで」という具体的な情報を加えるだけで、取るべき行動が断然イメージしやすくなります。

「わかりやすいディレクション」を心がけて、受講生を気持ちよくスムーズに学習に誘う。

見落としがちですが、教材作りにおいては大切なポイントです。

教材の質を高めるためのトレーニング。

ぜひ皆さんも、生活する中で「〜〜してください」という案内サインを目にしたら、ぜひこのようなトレーニングを試してみましょう。

※補足
この記事は、特定のお店 および その案内サインの内容を批判するものではありません。「教材に置き換えると…」という視点で、1つの題材として取り上げさせていただきました。


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