Day 3

今日も朝が明けた。
今は家を追い出されているから実家に寝泊まりさせてもらっている。
敷布団を敷いてもらっているが、寝付けないためリビングのソファーで寝ている。
毎日同じ時間に起き、朝風呂に入り、出勤する。しかし今は、子供が誘う「パパ起きて」という声や、僕の胸元で構ってほしそうにモゾモゾする子供、外から聞こえる猫の鳴き声に必死に威嚇するペットの声は聞こえない。

今までの何でもない、いや、少し煙たがっていたぐらいの毎日の生活がこんなにも崇高で尊いものだったことに今更ながら気づく愚かな自分を蔑み、今日も1日が始まる。

関係修復のためには、妻から言われた通り、誓約書を作成する予定だが、正直今のところ、人権もクソもない自分に何を誓い償えばいいかわからない。

おもむろに検索エンジンに「誓約書 浮気」と打ち込みサンプルを探す。
どうやら、専属の誓約書作成業者もいるようだ。

その中から妻が望みそうなもの、そして自分の態度を見直し、改善できそうなところを抜粋し、ドラフトではあるが作成してみた。




本来、誓約書とは被害者が書き、加害者に同意させ誓約させるものだと思うが、それでは意味がないと妻は判断したのだろう。
本当に反省しているなら、自分が行ってきた所業を見つめなおし、何が相手に不満を与えていたのか、何を提供し復縁していきたいのかをまずは誠意として見せなければならない。

だが、これが難しい。
犯罪者のくせに自分で刑期、執行内容を判断しなければならない。
生ぬるいことは書けない。自分が更生するために自分にできる最大の足枷を自分で選択する。後は被害者が勝手に調整するだけ。
そこに甘さはないと覚悟しながら誓約する。
家庭を取り戻すためだったら何でもする。
それぐらい出来ないと信頼など取り戻せるはずがない。
自分がしたことを忘れるな。

この殺人犯。


人殺し。


クズ。