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詩作習作

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#春

四月十二日 生きたがる脳の歌

目を瞑るのが惜しいと思える世界に生まれて
耳を塞ぐのが惜しいと思える世界に生まれて

物を言わぬあなたと歩く丘の上は
こんなにも美しい

囀りしかしらぬあなたと過ごす朝は
こんなにも穏やかだ

血と皮と骨だけで私が出来ていたのなら
きっと私もそれらと一つに

私がここを立ち去った後
脳みそだけがちょこんと残される、
そんな光景を夢見ながら

そんな光景を夢見ながら

目を瞑るのも辛いそんな世界に生

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四月九日 春を担ぐ

肌寒い宵闇を駆け抜ける
フードを被った若い声

電車の窓の向こう
黒々とした寝起きの田んぼに
春が訪れ水緩む

鈴懸の木の
てっぺんの方に
久しく見ない緑が芽吹く
建物の影を免れたその一房に

花びらが、種子が綿毛が
ポケットに潜んで旅をする
気付かぬよう気づかれぬように息を潜めて

肌寒さを無視するように
夜影に紛れた若い声

一つ一つの足音が
春を担ぐ
春を担う
一つ一つの呼吸が
春を担ぐ

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