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#小説

ヴォージュヤンヌと白い犬

ヴォージュヤンヌと白い犬

テーブルクロスを庭先で払うとき、
白、
緑、
白、
灰、
と視界の色が互い違いに変わる。

明るい灰色の霧に覆われた山間の村で、
年の瀬の気配を感じる冷たく湿気った週末。

昼食の後の気だるい体を霙を吐き出す冷気が纏い、背中に感じる部屋の暖気に思わず身震いする。

視界の端には、白く愛くるしい姿のミヌ、犬のことだが、が落ち着かなく縦に横に揺れるテーブルクロスの端を、興味深げに眺めていた。

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バーバヤーガの夕暮れ

深く差し込んだ橙色の光が、
濃い群青の砂漠の空を執拗に照らしている。

西の丘はその背後に背負った橙色の光に焼かれて、真っ黒な影を砂漠に落とす。

群青色と橙色とが争って、濃厚な卵白のごとく浮かぶ雲を一つ二つと染め上げる。
暗い暗い夜がやってくるのを知りながら、
今一時はその迫り来る孤独を忘れて
回り続ける地球を見ている。

シンとした、うるさいほどの沈黙。
騒がしいほど無口な黄昏の色。

その手

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枯渇

何を食べても満たされない
空腹が怖い
空いた胃袋はそのままわたしの脳みその空白になる
どんなものを食べても本質的に
満たされない

***

蛍光灯が埃っぽさを殊の外引き立てる改札を抜ける。
我が家は歩いて1分の至近にあるアパート。
ひとしきり一人で飲んで、食べて、六千円払って帰ってきたのだ。
居酒屋のメニューを前菜からメイン、シメまで一通りなめて、まあ大したことない味だからそのままかきこむように

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