大切な日を繋いで継いでいく
11/6
今までの僕にとっては、何てことのないただの一日だった。
それが今では特別な日になっている。
去年の同じ日に、父が他界した日。
去年の今頃は、何をしていてもどこに行っても、頭の中には父の事でいっぱいだった。数か月続いた闘病生活、身の回りの手伝い。余命数カ月だった父との時間は、毎日噛みしめることが多かった。
大人になってそれぞれに仕事や家族をもった僕ら兄弟が、こうして同じ時間を共有できたのは、間違いなく父との絆がそうさせてくれたと思っている。
僕らの親は、僕が中学校の頃に離婚していて、父が家を出て行った。まだまだ親に頼りたかった僕としては、何とも辛い経験だったが、兄は既に高校生。弟に至ってはまだ小学生になりたて。当時のことはあまり覚えていないらしい。
そんな兄弟が集まって話をすると、記憶にある父親の姿はそれぞれに違っている。兄弟でもこうも違うのかと思うほどだ。でも、僕らには一つの団結力が生まれた。
父は長いことガンを患っていたが、そんな姿をほどんど見せずに僕らにも黙って入退院をしていた時期もあった。何て無頓着なんだと言われそうだが、同じ家に住んでいなくて時々会うくらいだと、親の変化にも気づけなかった。
これは生前よく父に言われていたが、「忙しいんだから無理しなくていい」「仕事は大丈夫なのか」「早く帰れ」「子供が待っているぞ」そんな事を言って迷惑をかけないようにしようとしていた。本当に他人への気遣いは天才級で、亡くなる前まで口癖のように言っていた。
去年の夏。
父は病院から一時退院して帰ってきた。
次の入院も決まっていたし、恐らくはこれが最後の帰宅になるだろうと医者からも言われていた。
僕ら兄弟は、父と4人でこの先の事を話し合った。覚悟はしていた。ガンが完治していないことも、抗がん剤治療を継続しないと父が決断したこともみんな知っていた。ある程度これからについて話を聞くと、父は「家にあるもの早いものでもっていけ」と言って僕らに手放した。
そんなこと言われても、正直考えたくもなかった。目の前に父がいるのに、そんな話いつだってできるだろうと思っていた。
でもこの時、僕と弟は同じことを考えていた(と思っている)。寂しかったんだ。しんみりした空気を180度変えてやろうとした。
バーゲンセールのように、机は僕がもらう、布団なかったからもらう、テレビは古いから捨てちゃおう。今は父さんが使っているから、後で僕がもらうよ。
そんな事を父のいる目の前で繰り広げた。
言い出しっぺの父がポカーンとしながらも、その様子を見ていた。
ただ、更に兄弟の団結を生んだ。本当にこれが最後なんだ飲み込んだ。
あっという間にもう一年か。
生前、父は献体という道を心に決めていた。将来の医学の為に、「自分の体を使ってほしい」と言っていた。親族の同意が必要なので、父は僕ら兄弟にその意思を伝えてくれた。複雑な想いだった。でも父が望むのであれば、という事で全員が同意した。
まだ、父の体はかえってきていない。魂がどこにあるとかそういう話は置いといたとして、体が戻ってきていないと何だか不思議な感覚だ。
そういう事もあって、まだ親族が集まっての一周忌を行っていない。
でも、やっぱりこういうところは、さすが父だなぁと思った。
離れていても、みんなを繋げてくれている。
というのも、実は僕。11/6にすっかり1年が経ったことを忘れていた。仕事帰りの運転中、何かは忘れたけど考え事をしていたらハッとして思い出した。まずは兄弟にLINEしようと思って携帯を見たら、既に兄・弟がグループLINEで連絡し合っている。さらに伯母からもLINEが来ていた。
一周忌で集まっていなくても、みんな心に想っている。
会っていなくても繋がっている。
それぞれに離れた生活をしてるけど、この日はみんなにとって大切な日なんだ。伯母からのLINEを見ると、これ泣いているなぁって分かった。それに分かり易い兄弟だ。いつもと違って絵文字一つない。でも、みんな繋がっている。
父が残してくれたことは沢山あって、机や椅子とかはもちろんだけど、形のないものもたくさん受け継いでいる。
親がどのように仕事をしているのかを、子供が知ることはあまり多くはないと思っている。教師をしていてどこの学校に行っているのか。細かいことまでは分からなかった。
でも、これは生前からも尊敬しかなかったことだが、父はとにかく人に好かれていた。教え子たちからも好かれて、常に周りには誰かがいるような人だった。葬式に来てくれた人が涙を流してくれる姿をみては、父が誇らしくて嬉しかった。
もしかすると、僕の子供はじーじの事を上手く思い出せないかもしれない。忘れちゃうかもしれない。そしたら、このブログを読んでもらおう。君たちのじーじは、いつも君たちを想っていたよ。
何てことない一日だけど、この大切な日を僕らで繋いでいく。
そして、人を大切にする思いも継いでいく。
出合いや繋がりを大切にして、心で繋がれる関係を僕もつくっていく。
僕が大切にしている仕事観って、父から継いでいるんだ。
11/6
僕は急いでおばあちゃんちへ向かった。
遅くなっちゃったけど、お線香をあげたくて。
おばあちゃんは夕飯を食べていたけど、喜んで迎え入れてくれた。
良かった間に合った。
「偉いねぇ、ちゃーんと覚えているんだね」
「え、まぁね」
そう言えば父も、こーゆーこと忘れっぽかったな。子供の誕生日、よく忘れてたしな。
ではまた。
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