バイオハザードRE４ 勝手にノベライズ 籠城戦
バイオRE４のワンシーンを文字化する機会があったので、個人的に大好きな「クランチ文体」で書いて見ました。縦書きベースで作成したものをnoteに貼り付けたので、一部は崩れています。強調点も不自然です。PDF版もリンク貼っておきます。
RE４と言いながらオリジナル４の要素と半々くらいです
①山荘到着
横殴りの強風／驟雨──思いの外に揺れぬ吊り橋を渡る。
「おい！こっちだ！」ルイス──橋を渡りきった先の山荘のドアを開け放ち叫ぶ。振り替えれば迫りくる鬼火＝幾つもの松明──この雨の中で衰えぬ炎。
鋼鉄の門を閉じる／閂を通す＝奴らは通さないと確固たる行動。早くと急かすルイスの居る山荘へ。ルイスが素早く扉を閉める／閂再び。息が切れるアシュリーを気遣うのも束の間「お前……！」怒りを端的に伝えるドスの効いた声──ルイスに詰め寄る大胸筋＝レオン。
「おい、聞けって。こないだは……」後ずさるルイス──レオンが逃すまいと胸ぐらを掴む／壁に押し付ける。構わずにやあとアシュリーに呼び掛ける──言動は掴み所がない優男。「お嬢ちゃんは見つかったみたいだな」とルイス──両手は肩より上に挙げお手上げのポーズ。
「アシュリーよ」とお嬢ちゃん呼びを否定。あなたは？とすかさず初対面の優男の名前を聞く＝隠しきれぬ令嬢の育ちの良さ。
「ルイスだ」よろしくと返すのを遮り詰問──レオン「何者だ。目的を言え」──時間が惜しい。「だが残念…」ルイスの返答──的確な質問に称賛を送る／窓の外に目線を送る＝結局質問には答えず。
どぉん──閂の奮闘も空しく開門。意外にも周囲を確認しつつ侵入してくる村人×４──すかさずルイスが部屋の東側の壁に不自然に倒れるクローゼットを持ち上げるように指示＝現れる身を隠す空間──アシュリーを中へ。
南側の窓から外を二人で確認。さらに走りくる村人の集団＝振り回す凶器／あふれでる狂気──心は折れずとも骨が折れる状況なのは必死。
不敵な笑み＝優男──いつのまにか手に拳銃。すらりとしたバレル／トリガー前方の固定弾倉／グリップに刻まれる赤い数字＝通称"レッド9"──近接戦闘向きの取り回し──背中は任せろ、だから俺を守ってくれよと言いたげな表情。底抜けの軽口が告げる
「OK。ゲーム開始だ」
②戦闘
「敵は大軍、味方は二人。おまけに相手はみんな化け物ときた」ルイス──弱気かと思えば準備はいいか？と戦う気は十分。「あとはそっちが口を閉じればな」皮肉でレオンが応じる。「つれないな、カウボーイ」ルイスの流儀＝軽口。牛が相手ならどんなに楽か──レオンの心境／現実逃避。
まずは状況確認──ぐるりと反時計回りに見回す。
南側の壁─入口の扉／先ほど外を確認した窓。
東側の壁──アシュリーの隠れた空間／暖炉。
北側の壁──二階へ続く階段＝一人分の幅。
西側の壁──窓が二つ／間に戸棚。
室内──西側に梯付きの柱＝意味不明。ど真ん中にテーブル×２──八人は掛けられそうな長い物と補助用の小型の物。南北に約五m、東西に約九m。些か侵入経路／障害物が多い──整理整頓は永らくされていなさそう。二階を確認する暇＝無し。
協力して防御を固める──西側入口寄りの窓を戸棚で塞ぐ／近くにあった木材と道具で南側の窓を塞ぐ──どれだけ持つだろうか。
そうこうしているうちに割れる西側の窓＝窓枠に足を掛ける村人。素早く動く赤い点／レオンの射撃──脳天に一発＝あえなく外に崩れ落ちる第一村人。背後で木材が破壊される音──南側の窓も開通。二人目の侵入者──先ほど同様に足を掛けた瞬間に室外へ＝ルイスの掩護射撃。
どかぁん──戸棚が吹き飛ぶ＝侵入経路第三弾。もはや侵入は阻止出来ない──続々と入ってくる村人達。屋内戦闘へ移行──相手の総数すら不明／絶体絶命──暖炉前で互いの死角を守る＝この惨劇に喰われてたまるかという意思表示。
レオンの二連射＝西側から来た男の胴体と頭へ。素早く左隣の敵を狙う──二連射再び。ルイス──さらに左の敵へ三連射＝腰の高さで片手打ち。続けて左脇の下から窓の銃を向け一発。南側からの侵入を防ぐ。しかし既に西側から四人の男女＝叫びながら前進。
衰えぬ猛攻／四方から咆哮＝大混戦。もはや互いの背中を守らず／守れず。臨機応変にポジションを変える／敵を変える──ルイスの射撃＝包丁でレオンに斬りかかろうとした女性が膝を付く。「あとはよろしくな」とルイス。ため息混じりにレオン──踏み込む／蹴り込む／蹴り飛ばす＝さらりと揺れる金髪。吹き飛び動かぬ女性を乗り越え走りくる男──手には三ツ又の鋤＝殺意の形状。冗談だろ──レオン＝体勢を戻しながら悪態。すぐさま迎撃射撃──肩口へ。止まらぬ突進／腰に構えた凶器＝串刺しの未来──南無三。素早く動く右手／左胸のナイフを抜く──鋤の向かって右の切っ先を狙い思い切り振り上げる＝金属同士が擦れる／舞う火花。
ナイフの鍔と刃の根本を使った完璧な弾き返し──互いの獲物が両開きの跳開橋のごとき軌跡で頭上へ＝両者の体勢が崩れる。違いは一点──男にとっては予期せぬ、レオンにとっては折り込み済みだったこと。レオンは反動で浮いた左足を後ろへ／その足で床板が軋むほど蹴る／再び前へ＝勢いを付けた踏み込み──爪先は十時の方向──男は未だに万歳の格好。ごうっと空気を切る音が聞こえるほどの回し蹴り──右足が相手の顔面へ／錐揉み回転で舞う男＝飛び散る歯×１０。男はそのまま中央の長テーブルへ落下。盛大に壊れて木片が飛び散る。「次っ」同じ目に会いたい奴はどいつだと吠えるレオン。
「たすけてくれぇ」緊迫感の薄い叫び──ルイス。見れば部屋の入口付近で羽交い締め＋正面に斧を振り上げる村人＝猶予無き危機。だからこそ落ち着くレオン──銃を構える／息を吸う／吐く──斧を持つ男の左側頭部に一発──膝から崩れ落ちる。ルイスが自力で脱出──振り返る／締め上げていた奴に数発「取っときな」と怨み節。ふぅとルイスが安心するのも束の間、背後に松明を振りかぶる敵──顔面には赤い点＝レオン。撃った──右の眼球に着弾／脳に到達──頭蓋骨の中で数回の跳弾──頭の中を散々かき回した後、骨を内側から砕き外へ／天井に突き刺さる弾丸。結果、ポップコーンのように頭が弾けた。確実に死に至る一撃。
しかし敵は化物、頭部無き首から不快な音をたてて触手が現れる。「マジかよ」ルイス──悪態を付きながら逃げる／死体につまづく／なんとかレオンの横へ。室内には触手頭、さらに侵入してきた男女合わせて五人の村人──もれなく凶器所持──合計六人。レオンの判断──銃の薬室に一発、弾倉に二発──弾倉を排出／新たな弾倉を装填──「顔伏せろ」端的な指示／閃光手榴弾を投げる＝部屋が強烈な白に包まれる。
触手頭が噴水のごとく飛び散る──残り六人。
レオンが距離を詰める／下顎からナイフを突き刺す──残り五人。
ルイスの三連射×２──残り三人。
レオンの三連射×２──残り一人。
撃ち倒した筈の１体が起き上がる──残り二人。
起きた敵に二人が同時に二発づつ撃ち込む──残一人。
リロードをしようとしたルイス／掴みかかろうと女が向かう。
レオンの二連射＋回し蹴り──残り０人。
③戦闘その２
背後で鈍い落下音──振り返る二人／銃を向ける。舞い上がる黒い煤／床に散らかるテーブルの破片を飛ばしながら転がる物体＝村人。なんと暖炉から登場──煙突から飛び降りる強行／凶行。転がり出た勢いのまま立ち上がる／走り出す＝前傾姿勢。頭部へ射撃──レオンの即応／スライドロック＝弾を撃ちきる／相手がのけぞる。先ほどの２発残った弾倉を取り出す──横から走り出す影。
「もらっておくぜ」そう言いながら歩幅を間違ったかのような不格好な前蹴りを繰り出すルイス──暖炉まで敵を蹴り戻す。仰向けのまま動かぬ敵──「案外やるな」レオンの素直な感想。襲撃の手が緩む──二人が示し合わせたように動く。ルイス＝触手男が持ち込んだ松明を外に投げる。レオン＝テーブルの破片を利用し窓を塞ぐ×３。
「二階が気になる」ルイス──北側の階段で上へ。ようやくレオンが窓を塞ぎ終えた頃に上から銃声／要請＝「合流しよう、手を貸してくれ」ルイスの叫び。「わかった」レオン＝返答しつつ階段を上る。
一階の半分ほどの広さの二階部分。
東側──外鍵のかかった扉。
南側──壁に穴／掛かる梯＝絶賛侵入中。
西側──既に壊された扉＝狭いベランダが見える。
既にルイスが西側からの侵入に対処中。梯を登り切りルイスの背後をとる敵──レオンの二連射が襲う＝横倒しに。新たな弾倉を装填するレオン──村で手に入れたショットガンは温存すべきか＝背中で待機中。何かを察したのか「こいつを使いな」とルイスが赤い箱を投げてよこす／拳銃の弾が十数発ほど入っている──「セルフサービスだ」と付け加えられる。
「こんな田舎でサービスに期待はしないさ」軽口で返すレオン＝共に戦い多少の信頼。手慣れた手付き＝弾倉のスプリングをものともせず弾丸を込める──まだ戦える。器用に弾倉への装填しながらも敵を撃つレオン──ルイスの称賛。
「俺の分もやってくれるか？」
「残念だが店じまいだ」レオン＝出来上がった弾倉を装填しながら。
「そりゃ残念だ」
そう言いながらルイスはポケットから縦に連なる弾薬を取り出す──カーテンレールのような溝があるクリップに弾薬の後部を嵌め込んでいる＝専用の装填補助器具──八発が既に装着済み。固定弾倉の上部にクリップを付ける／弾丸を下に押し込む──独特な金属音＝装填完了。
二人の装填が終わると同時に衝撃／轟音＝一階から。階段に近いレオンが階下へ走る──驚愕／壁に大穴＝室内にはハンマーを手にした大男、南側の壁を破壊して侵入したらしい。さらに頭には牛を模した被り物──「出番だぜ、カウボーイ」階段の手擦りに気だるそうに寄りかかる／大男を指差す＝ルイス。
壁の大穴から続々侵入／二階からも侵入──二人の応戦／鏖戦＝いくら倒してもキリがない。「よっぽどあのお嬢ちゃんを取り返したいらしいな」銃声に負けない声でルイス。「合衆国大統領の娘だ」たぶんそれが理由なのだろうとレオン。
「それにしちゃあオッパイでかかったな」
下品なジェスチャーと共にルイス。アシュリーがこの場にいなくて良かった＝ため息のレオン。ズガァン──大男がハンマーを振り下ろす＝威嚇／床板が弾け飛ぶ──雑談の暇は無いぞと言外に。先程から何発も撃ち込んでいるが弱る気配無し──むしろ増す敵意／殺意。
大男がハンマーを水平に構える──レオンの首筋にピリッと悪寒が走る。幾度も死線を逸した生存者たる感覚──経験による予測／本能による反射＝敵の攻撃より一手速く取るべき最適な行動を選択する──しゃがんで回避／レオンの選択。
大男がコマのように回り始める＝筋力+遠心力──途方ない破壊の嵐。周囲の村人を粉微塵に吹き飛ばす／レオンに迫り来る──しかし村人が不幸な目に会う前には回避行動済み。低く身を屈めたレオン／頭頂部をハンマーが掠める／通りすぎる大男。即座に立ち上がる／振り替える──背中からショットガンを構えた。連射──ポンプ／アクション──グリップを引く／次弾装填＝散弾の嵐。
④脱出
二つの嵐が到来した結果＝飛び散った木片／骨片／肉片──壁も床もズタボロ。立っているのはレオン一人。二階からは未だに戦闘の音──ルイスの元へ。レオンが二階に着いたと同時に東側の扉が開かれる。
「レオンこっち。急いで！」
アシュリーの呼び声──抜け道でもあったのだろうか。外鍵を開けてくれたらしい。アシュリーに続く形で外へ──バルコニーから地続きの橋／崖を越え対岸に架かる＝謎の建築構造。
走る三人──追いすがる村人──橋の対岸には開いた状態で鎖で固定された落とし扉。アシュリー／ルイス／レオン＝対岸に到着。レオン──鎖の巻き取り装置を射撃──扉が落ちる。追いすがっていた村人の一人──タッチダウンを狙うアメフト選手のごときダイブ＝逃がしてたまるか。轟音──村人の頭部に扉がタッチダウン＝サンドイッチのハムより薄く圧縮。
顔を背けるアシュリー、口元を両手で押さえる──ショッキングな場面による嘔吐感かと思いきや咳。湿り気のある音。
「何なの……これ」
アシュリーの両手を鮮血が染める。
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