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IBDPではどんなことを学ぶのか

長男がインターナショナル・バカロレアのディプロマ(IBDP)で学び始め、1ヶ月経ちました。今日は改めてIBDPについてです。

そもそもIBってどんな教育?

国際バカロレア機構は、1968年にスイスで設立された国際的な教育機関です。

日本で「国際的な教育」というと、オランダやフィンランド、アメリカがよく話題になります。ただオランダやフィンランドは基本「自国民のため」の公教育で、他国民を想定していません。また、アメリカは教育の輸出に積極的じゃないです。

一方で、IBや英国式IGCSEは、最初から輸出を想定してます。世界で一番教育を輸出し成功してるのはイギリスで、おそらく、英国連邦加盟国(旧植民地)を念頭においてます。マレーシアでもインターナショナル・スクールといえば、だいたい英国式かIBです。

ここは分けて考えた方がいいのかなっと思います。

さて、IBは、最初から「国際理解」「多様性理解」が目的になってる教育プログラムです。その最終学年が16歳から19歳までの「IBDP」です。

IBの教育思想が他と大きく違うのは、「全人教育」であるところ。そして「文系・理系」を分けず、幅広く学ばせるところです。

日本でも、文科省が特に高等教育でIBを推進しています。

科目はどうやって選ぶのか

まず科目ですが、全員が6つのグループから1科目ずつ選んで学習します。

グループ1 第一言語 母語又は準ずる言語
グループ2 第二言語 第一言語に準じる高度なバイリンガル言語能力、ラテン語、古典ギリシャ語も可能
グループ3 個人と社会  歴史、地理、経済学、哲学、心理学、文化及び社会人類学、ビジネスと経営学、イスラム世界の歴史、グロ ーバル社会における情報技術など
グループ4 実験科学  生物、化学、物理、環境システム、デザイン技術
グループ5 数学とコンピュ ータ 科学数学、高等数学、数学的方法、数学的研究、コンピュ ータ科学
グループ6 芸術又は選択科 美術・デザイン、音楽、演劇、又は上記の科目からもう1科目を選択
(文科省のページより)
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/09/06/1325261_2.pdf

学校によって選択可能な科目が変わります。先生の分野や人数に限りがあるので、全部取れる学校は稀です。

長男は、英語を第一言語、第二言語をフランス語にしました(最も得意のは日本語です)。第一言語の英語では、シェークスピアやフィッツジェラルド、カミュの翻訳など、数冊の書籍について分析し、論文を書くようです。

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