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一人の人が、複数のアイデンティティを持つ時代になった

今大学で、アイデンティティとはなんぞや、という問題をやっています。
よくあるのが、「海外で育つと日本人としてのアイデンティティが失われる」という言説です。

しかしながら、現実には国際結婚の人もいるし、海外で育つ人もいるし、海外留学する人もいるわけです。
この議論をする人たちの頭の中では、彼らは日本人ではないのかな? といつも不思議でした。

「ホーム」の定義が多義的になりつつある現代

例えば、大学院の最近の課題はこんな感じです

グローバル・コミュニティにおける「ホーム」の概念に関して、あなたの考え方がどのような影響を受け、グローバル・コンピテンスに対する理解がどのように形成されたかを検討し、それを統合してください。

1. 今日のグローバル社会における「家」を定義し、グローバルマインドセットの発達の背景にある理想/価値観について論じなさい。

2. あなたの職場環境で、あなた自身のカリキュラムや教育法を用いて、生徒にグローバルマインドを身につけさせる 機会をどのように与えてきたか、あるいは、教育者としての仕事の中でどのようにこのようなことを行って きたかを振り返ってください。持続可能な開発のための教育(ESD)を取り上げたこれまでの活動のいくつかは、この種のカリキュラム・アプローチの模範となるはずです。教室で教えた経験がない場合は、学生時代の経験を振り返り、履修したコースがグローバルな視野を持つ機会を与えてくれたかどうかを考えてください。

この話、実は日本国内にいるとピンとこない方が多いと思います。今や世界中で空前の世界的移民の時代といわれるのです。

かつてないほどの「国際的移民」の時代

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