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グローバルに通用する若者に必要な4つの技能とは? OECDの小冊子から学んでみた

「どこでも生きていける子にしたい」
「世界で通用する子にするにはどうしたらいいですか」
「海外とビジネスができるようにしたい」

グローバル社会に必要な能力とは何か。
英語? 積極性? 明るさ?
さんざん使われている言葉ですが、いまいちわかっていない人も多いと思います(私もそうでした)。

大学院で学びました。

本日紹介するのは、経済開発協力機構(OECD)とアジア・ソサエティーが共同で作った「グローバル・コンピーテンスを急激に変化する世界で教えるには」という小冊子です。

Asia Society/OECD (2018), Teaching for Global Competence in a Rapidly Changing World, Asia Society, New York, URL: https://doi.org/10.1787/9789264289024-en


OECDとグローバル教育センターは、グローバルに通用する若者の条件として、以下の4つを挙げています。抄訳します。

グローバルに通用する若者は、
(1) 身近な環境を超えた世界を、地域的、世界的、文化的に重要な問題を検討することによって、調査する
(2) 他者の視点や世界観を認識し、理解し、評価する
(3) 文化を超えて、オープンで適切かつ効果的な交流を行うことにより、多様な聴衆と効果的に考えを伝える。
(4) 地域的・地球的規模で、集団の幸福と持続可能な発展のために行動を起こす
OECDが2018年に実施する生徒のグローバル・ コンピテンシー評価の基礎となるものである。

Asia Society/OECD (2018), Teaching for Global Competence in a Rapidly Changing World, Asia Society, New York, URL: https://doi.org/10.1787/9789264289024-en .)

そして、それぞれの能力を以下のように定めています。

(1) 貧困、貿易、移民、不平等、環境正義、紛争、文化の違い、ステレオタイプなどの 問題を批判的に検討する能力。
(2) 異なる視点や世界観を理解し、評価する能力 。
(3)異なる国籍、社会的、民族的、宗 教的背景を持つ人々や、異なる性別の人々と積極 的に交流する能力である。
(4) 最初の 3つの次元を土台とし、持続可能性と幸福の問題に 取り組むために建設的に行動することを強調するものである。

グローバル・コンピテンスは多面的であり、認知 能力の発達、社会情緒的スキル、市民的学習を含 む。グローバル・コンピテンスには、4 つの側面 が重なり合っており、生徒が地域社会や他の地域 、国の人々とバーチャルだけでなく、対面でもうまく交流するために身につける必要がある。また 、地域的・世界的に重要な問題を検討し、解決に向けて取り組むためにも、これらの側面における スキルが必要となる。

Asia Society/OECD (2018), Teaching for Global Competence in a Rapidly Changing World, Asia Society, New York, URL: https://doi.org/10.1787/9789264289024-en .)

これがPISAで測られる「グローバル能力」というわけです。

授業で具体的にどうやってこの能力を鍛えるか?

具体的にではどう授業に落とし込むのか。長男の学校には「グローバル・パースペクティブ」という授業がありました。
しかし、OECDでは「グローバルの授業を作る必要はない」としています。

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