極限状態に必要な「不安定のなかを生きる」コツとは
こんにちは。
パンデミックの「非日常」がすっかり当たり前になってしまいました。
未知のものと戦う未知の状況で、不安に思っている人も多いようです。
今日は極限状態で人はどう振る舞ったらいいのか? を歴史に学んでみます。
もっとも過酷な状況とは?
こんな状況ではどうでしょうか。
あなたの乗っていた飛行機が雪山に墜落。数十人が、奇跡的に生き残りましたが、パイロットは死亡し、現在位置もわからない。当局は悪天候のため捜索を打ち切ってしまいました。
冬服も、登山の道具もない。食料はわずかで、周囲には雪しかない。高山の薄い空気の中で、重い怪我をしている学生たちと、一緒に生き抜かなければならないとしたら?
こんな強烈な状況を生き抜き、有名になったのが、ウルグアイのナンド・パラードさんです。こちらは彼のTEDです。
事故が起きたのは、1972年10月。
ラグビーの遠征旅行に行く途中、アンデス山脈で飛行機が墜落。極寒と高山病と雪崩の恐怖に耐えながら70日を生き抜き、最後は10日間かけて自力でアンデス山脈を越えて脱出します。
最終的に生き残った15人の仲間をヘリで救出することに成功しました。
この事件、猟奇的な面が強調されますが、私は「なぜ自暴自棄にならずに生き延びたのか」と興味を持ちました。
ほとんどのメンバーは温暖で平坦なウルグアイに育ち、事故まで高山に登ったこともなければ、雪を見たこともなかったそうです。
彼は「極端な楽観主義」に警鐘を鳴らします。
楽観主義のリーダーが陥るわな
著書によれば、墜落当初のリーダーはラグビー・チームのキャプテンでした。
彼は高潔で素晴らしい人格者で、初期のチームを指揮します。
しかしキャプテンはこの「楽観主義の罠」に囚われていました。
「必ず救助はくる。神が守ってくれる。だからその日まで頑張ろう」と皆を励まし続けたのです。しかし、救助が打ち切られたことを知ると、意気消沈し塞ぎ込んでしまいます。「こうなるに違いない」と期待すると、裏切られたときに立ち直れません。
そして、代わりに自然発生的にリーダーとなったのがナンドさんでした。彼は墜落当初、頭蓋骨骨折で昏睡状態にあり、みんなから死んだと思われていたのに。
意識を取り戻し、事故で母親と妹を失って自暴自棄になっていたところを先のリーダーに「チームには君が必要だ」と言われ、立ち直ります。
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