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「OECDの教育調査(PISAランキング)」には意味がないと批判される3つの理由

毎回、日本でも大騒ぎになるOECDの国際学力調査のPISAランキング。皆さんも一度くらい耳にしたことがあるのでは。

PISA(Programme for International Student Assessment)は、15歳の生徒の読解力、数学力、科学力を測定する国際的な学力調査です。

日本でもよくメディアで「勝った」「負けた」と大騒ぎしています。
しかしこれには多くの批判があります。大学院で学んだので共有します。

よく言われるのは、「なんのための調査か」よくわからなくなっていることです。

特に、経済成長とPISAの数学力との間に相関性がないのでは、と言われます。私のnoteでも再三述べているポイントですが、実際に米国は最下位に近いスコアを取り続けていますが、イノベーションでは世界をリードしています。

まずは、スタンフォード大学のマーティン・カーノイ教授の批判から。(原文は英語。DeepLで翻訳)

国家の経済生産性とテストの点数、また、テストの点数も、その国の経済生産性とは関係がない 。
生活の質や民主的制度との関係また、創造性に関しては、米国は人口100万人当たりの特許件数が他のどの国よりも多く、「世界を圧倒」している。

Carnoy, M. (2015, October). International test score comparisons and educational policy: a review of the critiques. National Education Policy Center (NEPC).  https://files.eric.ed.gov/fulltext/ED574696.pdf

細かく見ていきましょう。批判はたくさんあるのですが、ここでは主に3つ取り上げます。

1 特に数学テストの予測は経済予測と比例していない

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