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オンライン授業時代の先生の役割とは
こんにちは!
世界が大きく動いてます。
学校や会社、そして資本主義自体の概念が大きく変わるかもなーって感じです。
さて、学校で、もしこのままオンライン教育が主流にならざるを得なくなると、どうなるのか。先生の役割がどうなっていくか。
今日のテーマはこれです。
我が家は、数年前からオンライン学習に移行しています。
今のスクールでは、先生もすでにビデオに置き換わっています。
海外で何が起きているのか、改めてご紹介します。
オンライン学習で先生の淘汰が始まる
私の住むマレーシアはヘイズ(煙害)でよく突然学校が休みになります。そのため、政府が作ったオンライン授業システムが導入されてます。昨年のヘイズ時には、Google ClassroomとZoomを組み合わせた私立学校も多かった様子です。
さて、オンラインの時代になると、「一方通行で話すだけ」の授業で、先生の淘汰が、始まります。
一方通行の授業に関しては、Youtubeで好みの先生の教え方を生徒が選ぶようになると思う。今はMITをはじめ多くの大学が授業を無料で公開してる。世界中の一流の先生の講義が、例え中学生でも受けられる。「数学はこの先生が好みだけど、物理はこっちの先生がわかりやすい」みたいに相性の問題になる。
— のもときょうこ@「日本人は『やめる練習』がたりてない」(集英社)発売中 (@mahisan8181) March 13, 2020
英語の世界ではすでに高校課程までのほとんどの教科が独学で学べるようになっており、有名なのが無料の「カーン・アカデミー」なわけですが、息子に言わせると、この創始者サルマン・カーンの教え方にかなう先生はなかなか少ないようで、「学校の授業には無駄が多すぎる」と言い出しました。
— のもときょうこ@「日本人は『やめる練習』がたりてない」(集英社)発売中 (@mahisan8181) March 13, 2020
少し説明します。
オンラインでは生徒の数に限りがありません(Google Classroomでは1000人までです)。「多数の生徒に一人の教師が知識を教える」スタイルは「動画でもよくない?」って方向にいく。
すると、一方通行授業は、「できる先生」に集まっていく気がします。
カーン・アカデミーが良い例です。
カーン・アカデミーの英語版では、高校課程までの数学・物理・生物などのほとんどの科目が無料で学べます。受講者の学力に応じた設問を出題し、動画を組み合わせて、ゲーム感覚で学習できる。アジアやアフリカでは、オフライン版を配布しており、教育問題が大きく解決されました(と、ジャック・マーが言ってました)。
創始者サルマン・カーンの教え方はテンポがよくわかりやすい。
息子の小学校ではカーン・アカデミーが流行っていて、彼は「圧倒的に効率がいい。学校の一週間の授業が1日で学べる」と言い出しました。「授業はどうしても無駄が出る」と、学校をやめホームスクーラーになりました。
このビデオではなぜオンライン授業が落ちこぼれを出さないのか、サルマン自身が説明します。字幕もあるのでみてみてください。
カーン・アカデミーだけじゃなく、Youtube上には数学者が山ほどいて、動画を出してます。TED EdやNumberphileなんかです。
例えば、Vihartという数学者。ピザやベーグルなど、食べ物を使って数学を教えます。134万人も登録者がいます。
息子が大好きなVsauseのMichael Stevensも科学の教育者です。Youtubeのスーパースターが「先生」を、生徒が自由に選ぶ時代になるかもしれません。
米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)などは講義をすべてWEBで公開してます。動画では比較ができるため、同じ授業をやるためには、さらに「良い」授業をしなくちゃいけないから大変なのです。
先生はコーチになる
ではオンライン授業では、先生はみんないらなくなるの? と思われるかもしれません。
多分ですが、先生の役割が変わります。
例えば、うちのホームスクールで先生がやることは「ファシリテーター」「コーチング」。要するに、生徒のやる気を出して、応援する係なんです。
遊びの部分や雑談・脱線の部分。これは人間にしかできないから。
先生は、個人個人のコーチングになっていく。今の、フィリピンの英語学校のマンツーマンの先生みたいな感じですね。より個別で細かい指導が求められる。
子どものスクールもそうなっていて、先生はたくさんいて、それぞれ得意分野が違うんです。
すると先生の側も個性的になっていく。いま息子の学校には「宇宙に詳しい人」「Pythonに詳しい人」「子どもの好奇心を引き出す人」「パッションのある人」「身近になってくれる人」「中国語で教えられる人」「ネイティブな人」などなどがいて、その都度、子どもたちが自分で必要な先生を選んでる感じ。
— のもときょうこ@「日本人は『やめる練習』がたりてない」(集英社)発売中 (@mahisan8181) March 13, 2020
先生の役割は「質問に答えたり」「生徒の方向の相談に乗ったり」ってことになる。
「その単元やったんなら、次はこの辺のビデオ見てみたら。わからなかったら質問して」
「純数学に興味があるなら、次はこの科目とってみるといいよ」
「そういえば、この単元に関しては、こんな面白い話があるんだよ」
などなど。
より人間的なつながりが重視される気がします。
向き・不向きもある
で、オンラインが万能かというとそうでもない気がします。
これはそうで、オンライン学習では「モチベーション」が全てと言っていいほど大事になる。目的がある人、好奇心の強い人はどんどん学ぶし、「勉強はつまらない」「なんのためにこれ必要なの」と思ってると全くやらない、ってことになるかも。 https://t.co/ySkIVW4Kxr
— のもときょうこ@「日本人は『やめる練習』がたりてない」(集英社)発売中 (@mahisan8181) March 13, 2020
オンラインで学校教育から解放された子が多い一方、向かないお子さんも多数います。
オンライン学習は割とモチベーションが全て。ファシリテーターも、コーチングも学習者の側に「まるでやる気がない」場合には難しい。
うちの学校の先生たちもよく、興味を失ってる子に対して、できることは何もない、と。
「オンラインだけ」の世界にはならず、多分、この感染の危険が無くなったら、今までの学校と共存する形になるかもです。向き・不向きも、好き・嫌いもあるので、どっちもあって良いのです。多分どっちも残しておかないと、今回のようなケースで困ります。
実際、子どものスクールは、今ビデオ学習を機軸に、個別授業や先生とのディスカッションなんかを組み合わせた形になってきました。
こうして、学校の形が変わっていくのかもしれません。
それではまた! 良い1日を。
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なぜマレーシアなのか、なぜホームスクールにしたのかの詳しい経緯については本にも書きました。興味ある方はどうぞ。
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