ショートショート 331~340

331.真っ赤なバラを摘んでみると、切り口から真っ赤な汁が流れ始め、

瞬く間に真っ白になってしまった。

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332.コウノトリの死因としてたまに、人の骨格に酷似した小さな何かを喉に詰まらせるというものがあるが、それを飲み込もうとしたのか、或はそれを口から出そうとしたのかは未だ定かではない。

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333.男はまだ、自分が作った怪談話が

事実になってきている事に気付いていない。

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334.最近各地でエレベーター内での圧死事件があるのだが、その現場に必ず

萎んだのであろう赤い風船があるのはニュースに出せないでいる。

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335.見知らぬ土地で、私を探す、探し人の張り紙が大量に張られていた。

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336.ある日、各地に大量に降り注いだ風船には、「ココ」と手書きでバツ印の書かれた、何処の土地とも当てはまらない地図が括り付けられていた。

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337.留守電が入っていたので聞いてみると、大音量で新世界よりが入っていたので最後まで聞いてみると、「聞いてくれてありがと」とおばさんの声が後ろで聞こえた。

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338.ある魔術師が、自分の時間およそ2000年分を閉じ込めた水晶をうっかり割ってしまった。

2000年という時間が降り注いだこの国は、一晩にして廃墟と化したのだが、それから1週間後、考古学者によって発見され『新たな古代文明』として発表された。

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339.「これで私を火炙りにした事は許しましょう。幸せな事ですね」

優しい魔女は使い魔に村を焼かせたあと、廃墟になった村の真ん中でひとり祝杯をあげました。

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340.廃墟を探索中、ライトで先を照らすと

誰も居ないはずなのに、

狂ったように踊る人影が映し出された。

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