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先生だって辛いんです。人間だもの。

教員の働き方は治外法権

 弁護士や労働基準監督官の方の話を聞きました。
 教員の働き方は弁護士や労基署から見るとパラレルワールドだそうです。脱法行為が常態化し過ぎて、治外法権状態です。

 労働基準法では、1日8時間以上、週40時間以上働かせたら違法です。学校ではそれを「勝手にやってるんだから構わない」という解釈でずっとやってきました。もちろん工業製品を作っているワケではないので、「時間が来たらハイ終わり」とはいかない部分もあります。しかし、そのグレーゾーンを放置し続け、やらなくてもいいけどやった方がいいような気がする仕事を増やし続けた結果、「勝手にやってた」はずのことが、「やって当たり前」となってしまい、勤務時間を肥大化させてきました。

 当然、教員は疲弊します。つまり、生徒のために「あれもやろう」「これもやろう」と仕事を増やし続けたことで、時間にも心にも余裕がなくなり、教育の質が下がるという皮肉な結果になってしまうのです。
 経済学ではこれを「合成の誤謬(ごびゅう)」といいます。1つ1つとしては正しいことでも、それらが積み重なることで、全体として見たときにはマイナスの効果を及ぼしてしまうことを言います。

 生徒のために、そしてよりよい教育を行うためにこそ、教職員の働き方を人間らしいものに変え、「仕事を減らす勇気」をもつことが必要です。

 仮に、8時間労働を5日間で土日は休み。毎日8時間寝るとしたら、起きていて自由に使える時間は 8×5+16×2 で週72時間。この72時間を自分の裁量で使えるようにするべき、というのが私の主張です。そして教員がその時間を有意義に使い、自分の人生を豊かに送って心に余裕をもつことで、結果的に生徒によい効果をもたらすと考えています。
 今の教員の働き方は、この72時間の裁量がないのです。本来、人間として成長するために使うことのできる時間を侵食されてしまうこと、これを改善しないと、日本の教育の質を上げることは不可能です。てか、そもそも違法であり、違憲であり、人権侵害そのものです。


マタハラ事例報告

・「子どもがいる女性と学年を組みたい人はいない」と言われた。
・「ウチの家内は子育てのために教員をやめたぞ」と言われた。
・「妊娠したらまずゴメンナサイだろ」と言われた。
・「3年担任なのに何で妊娠したんだ」と言われた。  等々

 管理職からだけでなく、同僚からのハラスメントも多いことが報告されました。こんな学校で生徒に人権を語れるワケがないですよね。

 問題の背景には「教員自身が法や権利を知らないこと」と「多忙による余裕のなさ」があると思います。(真の多忙解消には、「個人を犠牲にしてでも職場に貢献するのが善」という日本の勤労文化そのものを変える必要がありますね)
 私たちが今すぐできるのは「権利を知り、心に余裕をもつこと」です。そしてそれらは自分から主体的に動かないと得られません。

 疑わずに最初の一段を登りなさい。階段のすべて見えなくてもいい。
とにかく最初の一歩を踏み出すのです。(byキング牧師)

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