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【舌が安い】ていねいに書く雑文~その180~20221124

【舌が安い】
わたしは舌が安い。米のおいしさの違いとかも正直よく分からない。水道水もがぶ飲みできる。

基本的に、高いものはおいしい。これは手間や技術の点でも、素材の点でもそうだと思う。

牛肉の場合は、脂がのっているとか柔らかいとかとろけるとかで「おいしい」のが分かる。

肉の中では、特に鶏の味の違いが分からない。高級な地鶏は脂がのっていないことが多いし。焼鳥が名古屋コーチンだろうが、ブラジル産の鶏だろうが、食べ比べてもよく分からないと思う。

米の場合は、炊きたてのご飯の香りが最高なのは分かる。でもウチはもち麦を混ぜて炊いているので、白米だけで炊いたときのような幸せな香りにはならない。米自体は実家から送られてくる、なかなか良いものを使っているはずだが、たまにいつもと違う銘柄が送られてきたときも気づかなかった。

ウチの近くには割と有名なお豆腐屋さんがあって、いつもにぎわっている。そのお豆腐は近隣のスーパーでも買えるので、値引きシールが貼ってあるとたまに買うのだが、ぶっちゃけよく分からない。1丁で200円ぐらいするけど、業務スーパーの1個38円のやつで満足しているし、何だったら、業務スーパーのやつには「しっかりかため」というのがあって麻婆豆腐とかに使っても崩れないので「むしろそっちの方が好き」まである。

安いものでも満足(我慢)できる、ではなくて、高級なものと違いが分からないので安いのでいいか、という感じ。おいしいご飯で育ててくれた親には申し訳ないが、そんな大人になってしまった。アラフォーになった今でもシーチキンにマヨネーズをぶっかけて食べるのが好きである。

ちなみになんとなくみんなが敬遠しそうな冷凍野菜も、実際に使ってみると意外といい感じ。特に、冷凍ネギは非常に重宝している。煮るのではなく、炒め物に使うようなピーマンとかはすごく水が出るので使わないけど。うちの冷蔵庫には冷凍かぼちゃも冷凍さつまいもも入っている。

節約生活をしている我が家にとって、舌が安いことはむしろナイスなこと。安いものをおいしく感じるって、わりとハッピーなことな気もする。負け惜しみじゃなく。

よく特番でやってる芸能人格付けチェックで、高級なワインはどっち、みたいなのやってるけど高級なワインが分かるのは、それを飲んだことがあるから、なんて話を聞いたことがある。おいしいからこっち、とかじゃなくて、高級なワインの味がするのはこっちだからこっち、みたいな感じ。

これにはすごく合点がいったというか。グルメリポーターだって、ご飯屋さんやってるYouTuberだって、わたしの味覚と雲泥の差があるってわけでもないと思う。いろんなものを食べているから舌は肥えているかもしれないけど、あの人がおいしいって言うからめちゃくちゃおいしいってわけじゃなくて、誰かがおいしいと思うものは、きっと他の誰かが食べても大抵おいしいだろうよと。あの店のトンカツもこっちの店のトンカツも旨いよと。だって、そもそもトンカツって旨いんだから。

いろいろ言ったけど、わたしの舌が安いのは間違いない。でもビールと第三のビールの違いは分かりますよ。

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