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【野生の果物】ていねいに書く雑文~その105~20220910

【野生の果物】
こないだ、記憶が確かなら20年ぶりぐらいにいちじくを食べた。東京に住んでたころは見かけなかったが、京都はいちじくの名産地らしく、秋が近づくにつれ、普通にスーパーに並ぶ。

いちじくというのはなぜか大抵6個か8個入りで、割と高い。そもそも果物というのは高いので、それが6個も8個も入っていれば、それなりの値段になる。だから興味はあるものの「高いしなぁ」という気持ちで手が出なかった。しかも、ぶどうなんかはしょっちゅう見切り品になるくせに、いちじくは絶対にならない。

しかし、この間ラッキーなことに、いつもと違う業務スーパーに行くと、いちじくが売っていて、しかも普通のスーパーよりも200円程度安く、ウキウキした気分で即購入。人間は食べたもので出来ているというが、わたしは業務スーパーに育てられている。

「うっへっへ。いちじく食べたことある?」なんて、自分は20年前に食べたきりのクセに妻にマウントを取りながらいただいた。

いちじくは皮をむいて食べる。ヘタがあるので、そこからバナナの皮をむくときのように果肉の周りの皮をすべてむいてから食べる。なんなら一気に口に入れて、後から皮を出してもいいと思うけど。いちじくの手触りはぶにゅぶにゅ。傷んでなくてもぶにゅぶにゅ。それをむしゃぶりつくように食べるわけだ。

そのとき、なんだかとても「野性味」を感じた。食べ方がワイルドでしょ?という話ではなく、いちじくが持つワイルド性というか野性味になんだかカッコよさを感じた。実際にどうかは知らないが、ぶにゅぶにゅが故になんとも品種改良されていない感じとでもいうか、加工されていない、純粋な果物のような気がした。

手を汚さないと食べられないぶにゅぶにゅからは、そんなプライドを感じる。野生の果物いちじく。

言いたかったことは言えたけど、少し短くなったので、果物の話を続けようと思う。わたしは果物に大した愛情は持っていない。ちょっといいショートケーキにはスポンジのところに果物が挟まっているが、正直なくてもいいとさえ思っている。特にイチゴ以外が挟まっている場合。

わたしは好きなものを最後に食べるタイプなので、ちょっとお行儀が悪いがキッズのころは先にキウイやらパインやら桃やらのフルーツをフォークでほじくり出してからケーキを食べてた記憶がある。基本的にはそういうトッピングに興味がないたちで、なんならラーメンのチャーシューも別にいらないのでその分安いやつを売ってくれと思っているタイプだ。

ちなみにうちの妻はスイカが好き。高価なこともあって、基本的に果物を買わないので、テンションが上がるほどスイカが好きだなんて、結婚して5年は経つのに、ついこないだ知った。それ以来、最近は小さくカットされてカップに入ったスイカをなるべく冷蔵庫から絶やさないようにしている。

スイカのあのシマシマ模様もワイルドだよね。

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