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滋賀から目指せJリーグ ! おじさんサポーター、レイラック滋賀とゆく その④

  Jリーグを目指す滋賀県のサッカークラブ「レイラック滋賀」のファンになって18年目。いつの間にか白髪が増え、体力もすっかり落ちたけど、クラブはいっこうにJ入りできず。それでもめげないオジさんサポーターは、めげないクラブと今年も歩んでいきます。

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J3加盟申請!

 今回は「こんなお店がスタジアムに!」の予定でしたが、急きょ内容を変更します。オジさんにとっては京都新聞1面トップ候補!のニュースが飛び込んできたからです。

 本紙スポーツ面でも報じていましたが、われらがレイラック滋賀、6月末にJ3参入へのクラブライセンスを申請したんです。これは最重要ニュースを扱う「1面トップ、横見出し通し、白字黒ベタ」やで!何のこっちゃですが、とにかく大変な出来事です。

 申請が認められるのかまだ不明ですが、今季JFLの最終順位によってはJリーグ入りの可能性が出てきました。そしてレイラック前半戦14試合を終え、首位と勝ち点差1の3位につけているんです。優勝を十分狙える位置です。「新米サポーター」の後輩よ、いよいよオジさんもJリーグデビューやで。

何があった 過去最高の折り返し

 そもそもこんないい順位でシーズンを折り返したのは、2008年にJFL昇格して以後、初めてです。たいてい二ケタ順位ですし、昨年は最下位だったチームがですよ? 一体どうして? 何があった? この連載のタイトル「滋賀から目指せJリーグ」やけど、早くも実現してまうやん。あかん、優勝してまう。オジさんは驚き、舞い上がりつつも、7月9日に東近江市で行われた鈴鹿ポイントゲッターズとの試合後、選手や監督に聞いてみました。

 まずは今年就任した寺峰輝(あきら)監督です。GK出身ということもあってか、時に人数をかけた手堅い守備を整備しつつ、試合状況にあわせて選手の起用位置を柔軟に変更するなど、思い切った采配も光っています。

 -前半戦を好順位で終えられた要因はどこにありましたか?

 寺峰監督「3月の開幕時には、この順位にいるとは想定していませんでした。昨年最下位で、本来なら地域リーグでやっていたはずのチームです。その事実に選手やチーム全員が謙虚になって、時には守るだけのサッカーと言われながらも、泥臭く勝負に徹してきた事が大きいです」

優しそうな寺峰監督。鋭い采配が光りました!

 寺峰監督は、これまでも試合後に「ボールを保持するサッカーをやりたい、という思いはあるが、まずはわれわれの立ち位置を考えて、相手(の力)をリスペクトしてゲームを進めていく」と繰り返していました。特に序盤は、粘り強い守備で猛攻に耐えながら、セットプレーでワンチャンスをものにする、という展開が目立ちました。こうした意識がチーム全体に徹底された結果なのでしょう。 

確かな自信

 選手たちはどう受け止めているのでしょうか。

 今年加入し、正確なキックですでに大黒柱となっているMF平尾壮選手(ガンバ大阪出身です!)は「昨年が最下位だったので、周囲からの期待はなかったですが、良い意味で裏切れたと思います。やれる、という手応えはありました」と振り返ります。

チームの大黒柱・平尾選手。センスあふれるプレーやフリーキックは必見です

 在籍7年目、チーム最古参のDF早矢仕久志選手も「いいサプライズを起こせた」と自信を深めています。JFLには今季から本格的に出場しているDF平井駿助選手も「試合に出られれば出来る自信はありました」と、充実感を漂わせていました。

 ほかの選手からも好順位に浮かれている様子はなく、地に足のついた自信や手応えが伝わってきました。「優勝目前やで!」とのぼせ気味のオジさんとは正反対の、実にしっかりした若者たちでした。見習わんとあきませんね。 

優勝へ

 J3へ行くには順位も大事な条件で、まずは優勝が必要になってきます。実はこの日の試合、先制しながらも逆転負けを喫し、首位から転落してしまいました。Jリーグ参入がかかるかもしれない後半戦を見据え、選手からは厳しい声も上がりました。変幻自在の切れ味鋭いドリブルで、攻撃の核になっている榎本大輝選手は「上位にいるから強いというわけではありません。ふわっとした気持ちではなく、挑戦者として一試合一試合が勝負です」と先を見据えます。

ドリブルで攻撃を引っ張る榎本選手。見ていて楽しい選手です

 前半戦は守備が整備された一方、好機にシュートを決めきれない試合も少なくありませんでした。寺峰監督も「後半戦は謙虚なサッカーだけでなく、守備とのバランスを取りながらマイボールの時間を増やすことも考えないと」と、戦い方を増やすことを模索しているようです。

 平尾選手は「手応えがあったとはいえ、自分たちの甘さで落とした試合がいくつかありました。優勝を狙える位置にいるのだから、狙うのは当然です。申請もした中で後半戦、落としていい試合は一つもありません。チャンスをもぎ取りにいきます」と、鋭く目を光らせます。

 最古参の早矢仕選手は「7年前に加入した時は、周囲からどうせJリーグに上がれないチーム、と言われていましたが、クラブのスタッフや行政の方の尽力で申請となりました。選手としては結果を出すだけです」と力強く話してくれました。

 2006年からレイラック(当時は地域リーグだったMi-oびわこkusatsu)を見始めたオジさん(当時はお兄さんやで)には、遠すぎて影も形も見えなかった「滋賀からJリーグ」が今、選手や監督・クラブの懸命な努力で少しずつ、輪郭を現そうとしています。強敵ぞろいのJFL、真夏に突入する後半戦は、さらに厳しい戦いが予想されます。早くも夏バテ気味のオジさんですが、目標に向かって必死に走る選手たちを目一杯応援していくでー!


江藤 均

次回こそ「こんなお店がスタジアムに!」です


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