神秘の三柱鳥居【京都市右京区「蚕の社」】
京都市右京区太秦の「木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)」通称蚕の社」と呼ばれている神社に行ってきた。
一説によると京都最古の神社らしい。
住宅街の中にあって、こじんまりした印象。
目の前にセブンイレブンがあり、スーパーやドラッグストアも近く、駅まで徒歩5分。
好立地である。
境内に入ると生い茂った樹木に囲まれ、ひっそりとしている。外とは打って変わって、神聖な雰囲気。
本殿
本殿は主神として天御中主命(あめのみなかぬしのみこと)が祀られていて、古くから祈雨の神として信仰されているそう。
この神社が「蚕の社」と呼ばれるのは、養蚕・や機織などにすぐれた技術をもっていた「秦氏」という一族ゆかりの神社だからだそうだ。
「秦氏」とはその昔、朝鮮半島から渡来し、太秦一帯をおさめていた一族である。
この地の地名が「太秦」というのも、秦氏が治めていた土地ということからきているそう。
所説あるそうですが、「太」すごいの意味、「秦」秦さんの意味(すごいぞ、秦さん)
で、「太秦」ということらしい。
本殿の西側の、少し低くなっている場所に、3本柱の鳥居があった。
全国でも珍しい「三柱鳥居」、
鳥居を3つ組み合わせた形をしている。
その中央に組石の神座があり、
宇宙の中心を表しているらしい。
この鳥居の起源、一説ではキリスト教の三位一体を鳥居で表現したものと言われている。
三位一体とは、父(神)と子(キリスト)と聖霊は、一つの神が三つの姿となって現れたものであるという考え方で、3本の柱がそれぞれ父(神)と子(キリスト)と聖霊を表しているのだとか。
なぜ急にキリスト教がでてくるのか。
渡来人の一族「秦氏」は、実はイスラエルからシルクロードを渡ってきたユダヤ人ではないかという説があり、その説からキリスト教が導きだされているそう。
この説を裏付ける証拠として、
「太秦」という字は中国語でローマを表す漢字らしい。
また「ウズマサ」という読み方はヘブライ語でイエス・キリストを意味する発音に由来しているという。
この説が本当かどうかはわからないが、確かに「ウズマサ」という音は日本らしくない。
この鳥居のある一段下がった場所は、池のような形をしている。
実際ひと昔前まで、ここは境内から湧き出る水で満たされた池だったそう。
周辺の宅地開発の影響か、今では湧き水は枯れてしまったらしい。
この池の水に手足を浸すと、一年間、無病息災で過ごせるという言い伝えがあったそうで、
今でも年に一度、7月の土用の丑の日に水を満たして禊が行われているとのこと。
その日には、「三柱鳥居」水に浮かんでるような神秘的な光景になるのだろう。
「蚕の社」の境内には、稲荷神社もある。
ちょっとした洞窟のようになっていて、「白清社」と書かれていた。
この「白清社」は、近くの「天塚古墳」という秦氏の古墳の石室に祀られいたものを移したものらしい。
半地下石室構造になっているのは古墳の石室を再現しいるからだそう。
「蚕ノ社」
秦氏やローマ、キリスト、、
深掘りすると歴史ロマンのある神社だった。
流れる空気も静謐で神秘的で、おすすめの場所である。
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