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京都自死・自殺相談センターSotto設立10周年リレーコラム 第14回(竹本了悟)

私たちは、認定NPO法人京都自死・自殺相談センター Sottoです。
京都で「死にたいくらいつらい気持ちを持つ方の心の居場所づくり」をミッションとして掲げ活動しています。

2020年で京都自死・自殺相談センターSottoは設立10年目を迎えます。
10周年という節目にあたって、Sottoを様々な形で支えてくださってきた理事の方にリレー形式で、Sottoへの想いをコラムにしていただくという企画をスタートしました。
一口に理事と言っても、お一人お一人様々な背景を持ち他団体で活躍されている方も多いので、多様な視点からSottoという団体について改めて浮き彫りにしていただければと思います!
前回はコチラ→京都自死・自殺相談センターSotto設立10周年リレーコラム 第13回

第14回 代表 竹本了悟

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前職は研究職で【宗教者の社会貢献】を課題とする チームに属していた。2007年4 月、【自死】がそのチー ムの新たなテーマとなった。ぼくは元来、どんな事にでも積極的に関わろうとする性質なのだが、当初は何故か自死に関わる事を避けたい気持ちがとても強かった。そ の理由を自覚したのは【自死遺族サポートチーム こころのカフェ きょうと】の石倉紘子さんのお話しをお聞きした時の事。彼女がパートナーを自死で亡くし、その後、何度も未遂を繰り返す様になり、何とかしなければと団体の活動を始め、自死遺族同士の繋がりの中で何とか生きているというお話しを、生々しく丁寧に語ってくださった。それに対して感想を話そうと思った瞬間、予想外の事が起こった。目から涙がとめどなくあふれてきたのだ。彼女に同情する気持ちからではない。20 年前、小学三年生の頃、いじめられて死にたいと思った時のと ても惨めで悲しい気持ちが突然おそってきたのだ。この時、無自覚に自分の心の奥へと隠していた、深くえぐれた傷に気付かされた。そして、自死は自分にとって大切な、向きあうべき課題なのだ、と感じるようになった。 その後、研究チームの先輩や仲間に多くの刺激をもらい、 沢山の活動者から学び、自殺防止センターの西原明さんに背中を押され、それまで考えもしなかった自死の活動 に主体的に取り組むようになり、2010 年には 10 人の仲間と Sotto を立ち上げることとなった。

立ち上げメンバーの 10 人には、敬意と共に深い感謝の気持ちをもっている。思い出深いのは開設へ向けての二泊三日の合宿で、自前の研修プログラムを試みた。泣いたり笑ったりと大変であったが、ここでの経験が、Sotto のスタッフ養成プログラムの原点となってい る。立ち上げた後も、初代理事長の清水新二さんをはじ め、とても沢山の人たちのお世話になってきた。Sotto の仲間たち、支援や助言してくださった方々、お一人おひとりをあげれば、それぞれに語りつくせないほどのエピソードがある。できれば一冊の本にまとめたいくらいだ。それから、Sottoに相談してこられた沢山の方々と の心の交流は、ぼくにとって、本当の意味での人と人とのつながりを教えてくれた。

唐突に TERA Energy を起業するような人間なので、 これから先、どの様な人生を歩んでいくのか想像もできない。しかし、TERA Energy の起業が Sotto の運営資金を安定的に生み出す仕組み作りであったように、きっと、 自死に関する活動をすることがぼくの人生の大きな柱であり続けるのだろう。

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